<合格した理由>
私が合格した理由を一言でいえば、次のようになります。
「本試験当日に、出題者が意図した解答と近い内容で書けたから。」
なぜこんな言い方をしたかというと、模試で上位にいた勉強会仲間が、本番当日のケアレスミスでダメだったからです。
仲間の”未”合格は、私自身も非常に残念だったと共に、模試の順位は合否には関係なく、本試験当日のたった4枚の解答用紙だけが、合否を決定するという、当たり前のことを痛感しました。
そんな考えに至った理由を、自分自身の体験に基づき書いてみます。
(※)”不”合格ではなく”未”合格と書いたのは、未だ合格していないだけで、次は合格するというおもいを込めています。
<目次>
(1)自己紹介
(2)未合格だった理由(2013年)
(3)合格にむけてのロードマップ
(4)勉強法(概要)
(5)勉強法(詳細)
(6)要約練習のすすめ
(7)合格した理由
(1)自己紹介
都内の会社に勤めるアラフォー会社員です。
2012年3月に開催された診断士のセミナーに参加したことをきっかけとして診断士の受験を決心し、約2年半の勉強期間で合格できました。まずは診断士っぽく自分のSWOT分析をします。
強み(S) |
弱み(W)
・理系なので、文章を書くことは苦手。 ・アラフォーのオジサンなので、暗記力が格段に低下。 |
機会(O) |
脅威(T) |
受験歴
自分の受験歴は下記の通りです。今年の高い合格率に助けられ、2回目の2次試験で合格することができました。
1次試験 | 2次試験 | 勉強方法&勉強時間 | |
2012年 |
科目合格 |
|
1次 独学 約200時間 |
2013年 |
合格 |
未合格 BCBC / C |
1次 L社のDVD 約800時間 2次 独学 約100時間 |
2014年 |
合格(保険受験) |
合格 |
1次 独学 約100時間 2次 AASの要約練習+独学 約400時間 |
(2)未合格だった理由(2013年)
初めて受験した2次試験の未合格通知を受けたあと、自分がなぜ未合格だったかを分析してみました。その時にでた結論は次の3つでした。
①勉強方法の確立が不十分
初めての2次試験ということもあり、勉強方法のPDCAを回すことが最後までできなかった。
②設問要求の読み間違い
基本中の基本ですが、いくつかの設問で設問要求の読み間違いがありました。
例えば、2013年の事例3の第3問で、新規”事業”について聞かれているのに、
新”商品”について解答していました。致命的な間違いです。これでは合格できません。
③国語力の欠如
本試験終了後、他人の再現答案を見た最初の印象は、「読み易さが全然違う」でした。
つまり私の解答は、因果関係が不明瞭で読みにくい文章でした。
(3)合格にむけてのロードマップとその結果。
この未合格だった理由をうけて次は絶対にリベンジすべく、合格へのロードマップを2014年1月に立てました。その内容と結果は次の通りです。
①国語力の強化(1~10月)
国語力を強化するために、写経や要約を習慣化する。
→◯
ASS名古屋の要約練習を2月~9月まで8ヶ月間受講した。
最初の頃は時間もかかり内容もひどかったが、夏以降から短い時間で初見の日経春秋を
40字に纏めることができるようになった。これは自分自身にとっても国語力強化に有効
だったと思っています。鷺山先生ありがとうございました。m(_ _)m
②財務強化(1~10月)
診断士の合格後、将来的に税理士とのダブルライセンスを考えているため、税理士の試験科目である簿記と財務の勉強を始める。
→×
テキスト購入まではしたが、結局税理士の勉強までは出来なかった。
③2次過去問分析(1~4月)
この時期はじっくり過去問分析を繰り返す。
→◯
自主勉強会を主催し、毎週1事例ずつ過去問を繰り返した。ここで出会った受験生仲間
は、直前期に励まし合った大切な仲間になりました。
中小企業診断士 WEB勉強会(http://4d4web.jimdo.com/)
④1次+2次対策(5~8月)
免除ではあるが、基礎知識の充実のために1次試験も受験する。
→◯
短い準備期間であったが、7科目受験し、どうにか合格できた。
⑤2次対策(8~10月)
自分の弱点である国語力を改善させ、安定して合格答案が書けるようになる。
→◎
合格できました。\(^o^)/
(4)勉強法(概要)
勉強方法を確立できなかったことが、昨年の未合格の原因だと認識していました。そのため、今年の合格にむけてどうやって勉強のPDCAを回すかについて、いろいろとトライしました。結果的に下記のようなPDCAに行き着きました。
Plan
受験校の通信講座にも申し込んだが、添削まで2~3週間かかることもあり、受験校
ではなく過去問を中心に独学する勉強計画を立てた。
Do
Facebook上で、オンラインの勉強会を主催し、毎週1事例ずつ受験生同士で議論した。
このメリットは、①タイムリーにレスポンスがもらえること、②他人の解答にコメントする
ことで、採点者の気持ちが理解でき、読みやすい解答を書けるようになったことでした。
Check
Doの勉強会での相互添削と、独学受験生のバイブルであるふ◯◯いを参考にして、
自分に足りない部分をチェックし、出題者が意図した解答と自分の解答がどれだけ
離れているかをチェックした。
Action
Checkで足りなかった部分の知識とノウハウを補充するため、6月頃からファイナル
ペーパー作りをした。最終的にはこのファイナルペーパーを各事例ずつ作成し、
試験日当日の最終確認に使った。
(5)勉強法(詳細)
自分の勉強方法の中で、重要視した点です。かなり細かいので読み飛ばして頂いて構いません。
過去問高速回転
電車の中が勉強部屋
蛍光ペンの使い方
練習は本番、本番は練習
解答フレームの活用で、大事故を起こさない解答を
たとえば、「◯◯の理由は?」と聞かれたら、「理由は、◯◯(事実)なので、◯◯(方法)
することで、◯◯(効果)があるから。」とか、「◯◯へのアドバイスは?」と聞かれたら、「◯◯を行う。理由は◯◯を実施することにより、◯◯の強みを活かして◯◯のニーズに対応でき、◯◯の効果があるから。」などと、自分の定型パターンをいくつか準備しました。これにより、設問要求から大きく外れた解答(大事故解答)を書くことが無くなりました。
出題者の意図から絶対に離れない
事例1:ニーズの変化で外部環境が変化しているが、今の組織構造が適合していないので、組織・人事の施策でそのGAPを埋める。
事例2:大手に負けないために、①地域と顧客との関係性を強化と②顧客の生涯価値向上で、固定客とブランド力を得る。
事例3:安くて(C)品質の高い(Q)製品を納期(D)通りに、ムリ・ムダ・ムラを抑え、多品種・小ロットで混乱なく効率よく作って売る。
解答の方向性で迷った時は、この方向性に沿う事で、出題者の意図から離れない解答を作成できました。
私の意見は聞いていない。
(6)要約練習のすすめ
AAS名古屋でお世話になったのは「要約練習」でした。数々の受験校のカリキュラムを試してみたが、いまいち自分に合わなかった私が、要約練習だけはなぜ最後まで続けられ、どのように合格答案を書けるのに役立ったのかを説明します。
なぜ最後まで続けられたのか?
合格答案を書くのにどう役立ったのか?
基礎力を高め、当日にどんな変化球がきても、それなり対応して、合格答案が書けたのは、要約練習のお陰だと思っています。
(7)合格した理由
いろいろと書きましたが、上記の勉強方法を繰り返した結果「本試験当日に、出題者が意図した解答と近い内容で書けた。」ことが合格した理由だと思います。
最後に、これから合格を目指す受験生の仲間へ、独学派の私がいつも大切にしていた言葉を贈ります。この言葉は、坂の上の雲(司馬遼太郎 著)の主人公の一人である秋山真之が、新設した海軍大学校の初代教官として、生徒に対して話した言葉です。
「ここに、戦術の講究を開催するに先立ち、諸君に明らかにしておく。あしから戦術を学ぼうと、思わんでください。学んだ戦術はしょせん借り物でありますから、いざという時に応用が効かん。したがって、みなが個々に、自分の戦術を打ち立てることが肝心であります。然るにまず、あらゆる戦術書を読み、万巻の戦史を読み解いてみる。どう戦えばよいか、原理原則は自ずと引き出されてこよう」
(※)ご存じの無い方のために説明します。この人は日露戦争の時に、ロシアの海軍(バルチック艦隊)と戦う日本海軍(連合艦隊)の作戦参謀であり、現代風にいえば日露戦争を勝利に導いたコンサルタントです。
合格するために、個々に自分の戦術を打ち立てて頑張ってください。
以上です。