富田(とみた)です。
こんにちは。
5回目の投稿になります。
よろしくお願いします。
今回は、事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの学習方法について、お話ししたいと思います。
【事例Ⅰ】
・100字×5問の出題が多いため、少ない文字数に要約しても、短文で意味が伝わる文章を書くように心がけました。
・設問のレイヤーを意識しました。(外部環境分析、内部環境分析、経営戦略、組織構造、組織文化、人事管理)
・知識を使うにしても、できるだけ与件に寄り添った解答を書くように心がけました。(例:令和2年度事例Ⅰ「老舗旅館」の事例:人事制度として、「茶化」のうち、ただ評価制度の採用と書くのではなく、「事業間の特性を考慮した評価制度の採用」など。)
・『組織文化』の問題では、あるべき姿として「組織活性化」につながるストーリーを描くようにしました。
・『人事管理』の問題では、あるべき姿として「モラールや能力の向上」につながる施策を打つ。4事例の様々な設問の中で、いわゆる“茶化”の人事管理などは、覚えた内容の活用の場面が最も多いので、学習の費用対効果としては最も高いです。
【事例Ⅱ】
・4事例の中で、最も与件を乖離した解答(いわゆるポエム)を書く可能性が高い事例です。他の事例もそうですが、特に事例Ⅱでは与件に寄り添うことを意識することが必要です。
<問題の切り分けの難しさ>
・各設問に解答すべきターゲットとニーズの切り分けが難しいです。ボタンの掛け違いをすると同時に二つ以上の設問を間違えてしまうので、慎重に対応することとし、ターゲットのセグメンテーション(ジオグラフィック変数、デモグラフィック変数、サイコグラフィック変数、行動変数)を行い、どの設問でターゲットのニーズを最も充足し、顧客満足度を高められるかを、ぎりぎりまで考えていました。
<プロモーション問題が肝>
・特にプロモーションの問題が苦手でした。与件に寄り添った解答を書くためには様々な方法があると思いますが、思いつきではなく、実現可能性の高い解答としては、「B社の過去の成功体験を横展開(リバイバル)する」ことです。(嚙み砕いて言うと、「こんなにうまくいっていることが既にあるんですから、それをこっちでもやってみたらどうですか?」ということです。)
<機能的価値と情緒的価値>
・出題委員の岩崎邦彦先生の著書『小が大を超えるマーケティングの法則』では、「顧客を<情緒的価値>で引きつけて、<機能的価値>で納得させる。顧客を<機能的価値>で引きつけ、<情緒的価値>で顧客の生活シーンに浸透させる。」というくだりがあります。例えば、日本の歴史や伝統に興味のあるインバウンド客は情緒的価値を有しており、和食の試食などにより機能的価値を訴求して固定客化を図るという方策があります。また、令和2年度事例Ⅱのハーブの事例では、自社オンラインサイトのユーザーである健康志向の既存顧客は機能的価値を有しており、X島宿泊訪問ツアーにおいて、ハーブの収穫などの農業体験や、祝いの膳の料理体験などの島民との交流を通じて、顧客の情緒的価値に訴求し、X島のファンになるという流れです。
【事例Ⅲ】
・例外もありますが、基本の出題パターンは5問体制と認識します。(第1問:環境分析、第2・3・4問:生産戦略。第4問が情報系の問題の可能性が高い。第5問:第1問の強みを活用した成長戦略。)
<解答字数の多さを認識>
・事例Ⅲは、ⅠやⅡに比べて解答字数が多いのは自明の理です。(140字や160字など)ⅠやⅡではいきなり解答用紙に書くこともあると思いますが、事例Ⅲで頭の中で考えながらいきなり解答用紙に書くと、途中でロジックが破綻する恐れがあります。
<下書きの重要性>
・私は事例Ⅲでは解答始めの合図とともに、問題冊子のホッチキスを外して、背表紙を裏返してA3サイズの下書き用紙を作っていました。まず左右半分に分け、左上に第1問、左下に第5問、右半分に上から生産戦略の第2問、第3問、第4問と三等分します。そして第1問と第5問の経営戦略の問題から先に取り組みます。なぜなら、生産戦略の問題は難しいので、与件から強みと機会が抽出でき、アンゾフの成長ベクトルから、新市場開拓戦略か新製品開発戦略かあるいはその両方かを考えます。例えば、事例Ⅲでよく出てくる商談会の活用は、新市場開拓戦略です。新市場開拓戦略で活用するのは既存製品です。C社の製品面の強みを活用します。また、C社が工業団地に立地しているならば、市場面の強みがあります。既存取引先から新製品開発や増産の依頼があった場合には、工業団地の他の中小企業と連携して、新製品開発戦略を採ります。経営戦略の問題を解き終えれば、残りの時間で生産戦略の問題を解きます。(情報系の問題が出題されれば第4問から先に解きます。)第2問と第3問の生産戦略の問題は難しいので、まずは問題点や課題の抽出に注力し(与件に書かれているので)、具体的に適切な対応策が思い浮かばなくても、効果(納期遵守や適正在庫化などのDやCの効果)は間違えずに必ず書いて、部分点を狙います。
【事例Ⅳ】
<毎日学習することの重要性>
・一次試験の財務・会計と同様に、二次試験の事例Ⅳの計算問題も少しずつでもいいので毎日取り組む必要があります。
<事例Ⅳの学習方法>
・まず取り組むべき問題は、事例ⅠからⅢまでと同様に過去問です。私の事例Ⅳの学習方法は、A3の紙を用意して、左半分(A4サイズ)に過去問の問題を刷り込み、右半分そして裏面に解答を書くようにしました。自分の今の実力でどこまで解けるか、自分の現在地を必ず確認するようにし、解けなかった箇所は写経でもよいので、内容を理解することに重点を置きました。そして、解いた過去問の紙は捨てずに保管し、事あるごとに見返していました。(タブレットでできる受験生は、タブレットでもよいと思います。)
<記述問題の重要性>
・NPVの問題などは難しく、多くの受験生が苦手に思っている単元ですが、計算問題の中でも経営分析の指標とCVP分析の問題は取りたいです。あと、計算問題に比べて記述問題はどちらかといえば軽視しがちですが、第1問の経営分析の記述や、第4問の記述(為替予約やオプション取引など、一次試験の財務・会計の知識を問う問題は取りたい)対策として、まずは過去問に出題された記述問題からでいいので、解答集のストックを貯めていき、基本的な問題が問われたら確実に得点できるように対策を打っておきたいです。
以上です。二次試験の勉強を頑張ってください。