お久しぶりです。チューヤンでございます。めちゃくちゃに暑い日が続いておりますので、夏バテ対策をしっかりしつつ冷房で体を冷やしすぎないように試験までの体調管理にお気をつけください。最近は1次試験の直前のため直前から当日までの過ごし方の記事が多いので、少し趣向を変えて中小企業診断士のお仕事目線で見る中小企業政策について簡単にまとめてみようと思います。
中小企業白書って見たことありますか?
目下1次試験で中小企業経営・政策を受験される方の中には、試験範囲となる2022年版をしっかりと読み込んだという人もいらっしゃるかもしれませんね。私は試験勉強としては全文のグラフをいくつか見たくらいで、あとは教材頼みで何とか突破しました。白書は仕事で必要になったらその時読めばいいやと高を括っていたのですが、まぁ早々に必要になりましたね。私の数少ない経験値で語ると、中小事業者の方で白書を見ましたって人はゼロ、そもそも存在すら知らないって人がほとんどです。そこで昨今の診断士業務で避けては通れない補助金申請サポート業務があるわけなんですが、国がどんな事業に力を入れているか、その補助金の意図を語るのに必要なのが白書の概要になります。ちなみに、第9回の事業再構築補助金の採択結果(補助金交付候補者の採択結果 | 事業再構築補助金 (jigyou-saikouchiku.go.jp))を見ると、9,369件の応募に対して4,259件が採択、採択率45.5%となっています。私の周りの先輩診断士の方々の結果を見ると、どれだけ補助金の意図や国の意向を捉えているかというが大きな分かれ目になっているように見受けられます。その点で中小企業庁が今の中小企業がどういう状況におかれ、その上でどのようなサポートをし、中小企業にどうなっていってもらいたいかをまとめているものが白書になります。診断士として活動するにあたり、この内容を事業者に語りサポートしていけるかという観点で白書を見ていくと頭に入りやすいかもしれませんね。
まずは白書の概要を読んでみよう
試験勉強で参照されているのは白書の全文(22年度版はこちら:中小企業庁:2022年版「中小企業白書」 (meti.go.jp))かと思いますが、全体像を掴むなら概要がオススメです。私も実務従事先の先生に教わって概要を読み込んで知識をアップデートするようにしました。概要の23年度版(2023年版 中小企業白書・小規模企業白書 概要案 (meti.go.jp))からキーワードをピックアップするとこんな感じ。
- 物価高騰と人手不足解消には価格転嫁が重要
- 価格転嫁に向けて、投資拡大・イノベーション加速・賃上げによる好循環の実現が必要
- 中小企業は差別化による価格決定力の獲得、小規模事業者は支援組織のサポートを得て地域の持続的発展への貢献が大切
22年度の白書(2022gaiyou.pdf (meti.go.jp))にて学習をされている方は違和感にお気づきかもしれませんが、「コロナ」という文言がほとんどなくなりました。一応23年度にも「足元の新柄コロナや物価高騰…」と冒頭に書かれていますが、22年度までのウィズコロナ、アフターコロナのような緊急事態を乗り切ろう!って感じの雰囲気が無くなった印象を受けます。逆に増えてきたトレンドとしては、物価高騰/価格転嫁、賃上げ、イノベーション/価値創出という表現が繰り返し出てきています。概要1枚を見比べるだけで潮流が見えてくる、そして気になることを重点的に読むようにするという使い方が良いと教わりました。
実務の面で申し上げると、6/30に事業再構築補助金の第10回が締め切りとなり、今は第11回の公募要領の発表を待っているところです。6月の下旬に補助金のご相談をいただいたので目下その発表を待っているところです。中には見切り発車で受注されている方もいらっしゃるようなのですが、私は経験も浅く、公募内容が23年度概要に合わせて修正された場合、サポート内容が変更される可能性を考慮してお客様には発表を待っていただいているところです。例年より発表が遅くなっているのが気になるところですね。
1次受験生の皆様への檄
というわけで、白書の活用だったのですが、受験って目線に立つと中小企業経営・政策は今年で取っておきたいところですね。20年度~22年度まではコロナ一色だったので傾向も見えやすい部分があったと思います。しかし、23年度で大きく潮目が変わったなという雰囲気がありますので、来年度の試験は過去問傾向と全然違い難化!なんて話もあり得るなと(今年の白書、DXの前にGXとか書き始めたので・・・)。あと2週間で伸びしろたっぷりの科目です。ラストスパートに向けて診断士になってからも実用性の高い白書の知識を今一度ため込んでみてください。
おわりに
補助金サポートの仕事は、よく「コンサルの仕事じゃない」とか「補助金で儲けても仕方ない」とか言われるのですが、私のような新米副業診断士にはとてもありがたい仕事だなと感じます。一番大きなポイントとして、ゴールが明確で自ずとサポートすべきことも見えてくるっていうのがいいと思いますね。とはいえ、私も無駄な補助金取得や、補助金ありきの事業計画を立てるのは良くないなと理解できているので、分別を持った対応は最低限必要という前提の上ですが。ただ、窓口で相談員をするには幅広い知識と高いコミュニケーション能力が求められるので、補助金のような決まったテーマでお仕事がある内に、経験を積ませていただこうかなと思っている次第です。
では、次回の更新の際には皆様が2次試験に向けて取り組めていることを切に祈ります。