こんにちは、チューヤンでございます。先日1次試験を受験された皆様、大変お疲れさまでした。早いもので8月も終わりが見えてきましたが夏バテせずに2次試験勉強できておりますでしょうか。今年2次試験を初受験の方は教材を見て「?」となった方も多いと思います。私も最初は1次と2次内容の違いに驚きを隠せませんでしたが、逆によく読みよく考えれば結構解ける!と確信を持てるようになってから1次試験より好きになりました。私はコロナがひと段落した去年の受験生だったこともあり、運良く1次・2次を同じ年度で合格することができました。2次試験の結果は事例Ⅰから順に67,61,60,71とギリギリでの合格、1次と同じで受かればOKというスタイルの勉強方法なので予想どおりといった感じです。というわけで今回は私の経験から解ける!と確信を持てるようになるまでの初学者向け2次試験合格戦略を共有させていただこうと思います。勉強を始めつつも手応えを掴めない方の参考になれば幸いです。
2次試験勉強の準備
まず私が試験に挑むときはどんな内容か調べるところから始めます。情報はネット検索+参考書の冒頭に大体書いてあるので、テキストを購入している段階で完了している方が多いと思います。念のためざっとまとめると私はこんなイメージでとらえていました。
- 事例Ⅰ~Ⅳまで各100点満点、各事例40点以下が足切り、合計240点以上で合格
- 全科目記述式、短答式ではなく40~120字程度の記述又は計算問題
- 毎年の合格率が20%弱と一定で推移
- 公式の回答は発表されておらず、各社の過去問解答もかなりバラバラ
- 1次試験終了後の8月から勉強してもやり方によっては間に合う
ここから理解したこととして、6割書けたかどうかではなく相対評価による上位20%のみを合格とする試験であること。満点を狙う試験ではなく部分点の積み上げで合格できる試験であること。そこから、部分点をもらいやすく自分で再現できる合格解答作成方法を掴むことが合格への勝ち筋であると考えました。そこで、まずは事前の準備として自分に一番しっくりくる解答を作っている過去問テキストを7月に選びました(テキスト選びは過去記事にてご紹介)。あとは文房具の準備ですね。これは自分の趣味的な部分もあり、あまりこだわらない人は適当でいいと思います。私はまず形から入るタイプなので、何か新しいことをやるときは結構道具選びに時間をかけます。2次試験で新しく買ったのはフリクションの4色と原稿用紙(20×20)、試験当日の知識確認用にちょっといい5㎜方眼ノートの3点です。原稿用紙は自分の解答+採点後の解答を5年分で2周すると1冊では足らず、結局もう1冊追加で買いました。原稿用紙切れで勉強が滞るとイライラするので最初から2冊程度買っておくのがオススメですね。
2次試験は色々な予備校で様々な色ペンの使い方を教えているようなので各人の好みがあると思いますが、私はペンの本数を増やすと持ち替える回数が増えて時間のロスが出るのでマーカーではなく4色ボールペンにしました。視認性を取るか効率を取るか、その辺は好みの問題ですね。正解は自分に合っているかどうかで判断するのが良いかと思います。色の使い方はシンプルにプラス要素(S、O)は青、マイナス要素(W、T)は赤、メモの書き込みが緑と分けて使っていました。これ以上色を増やしても私は使いこなせないので3色くらいがちょうどよかったです。私の1年先輩の診断士で周りの真似して色ペン使うのが何か悔しいのでシャープペンだけで攻め切ったという変わり者もいましたので、自分に合うのが一番です。
2次試験勉強は分析から始めよう
私は1次試験の前までは2次の勉強は一切しませんでした。やったことは2次試験の内容確認と買い物だけです。2次試験勉強として1次試験のあとに真っ先にやったことは、とりあえず過去問を解いてみること。やり方としては、時間も計らず、文字数も体裁も気にせず、1次試験で覚えている知識だけでどこまで書けるかを確認しました。与件文にも何となく大事そうなところに線も引きました。解答もうまく言葉にならなければ「ブログでヒット数を稼ぐ」とか「単語忘れたけど1次の経営理論でやったやつ」みたいなイメージで解答らしい文章じゃなくても思いつくままに書きました。上の写真のとおりふぞろいを使って勉強開始しましたが、最初はキーワードの部分点で計算して2割も取れない感じでした。でも問題ないです。まずやりかったことは現状分析です。模範解答と自分の解答のどこが違うのか、何を改善すれば合格解答が再現できるようになるのかを分析することがポイントです。解答例が複数あるのがふぞろいの良いところで、自分で真似しやすい解答を選ぶことができます。ちなみに当AASのブログでは過去にAASへ寄せられた再現答案が得点別で検索できるようになっていますのでこちらも良かったらぜひご活用ください。いい感じの模範解答を選んでからの分析は以下の手順のイメージです。
- 問題と解答の大枠を捉える
⇒ 解答の型を覚える
例:なぜ○○したか? ⇒ 理由は、○○することによって△△を図るため。
○○について助言せよ ⇒ XXXによって△△することで□□を獲得する。 - 織り込むべきキーワードの中で知識として現状で忘れているもの抽出する
⇒ 1次試験の教材から最低限の知識をまとめる(大半が1次の知識で足ります) - キーワードを導く与件文の該当箇所が拾えているか抜け漏れを整理する
⇒ 解答に使いやすいフレーズ、出来事を覚える
例:○○技術に定評がある(強み)、新社長の方針で・・・(経営者の意向)
このように模範解答を構造化し現状の自分の解答から足りない部分を明確にすることで、こうすれば合格解答が再現できる!というストーリーを描くことができます。当時、過去問を解いて分析するのに1事例当たり最初は4-5時間かかっていたと記憶しています。事例Ⅳの計算問題は②の知識確認に加えて効率化も一緒に考えていたので、さらに時間がかかりました。だんだん新しく覚えることが少なくなるのでスピードは上がりますが、それでも5年分やるのに9月下旬くらいまでかかりました。今考えると②知識復習は1周目のタイミングでノートにまとめておけば2周目をもっと時短できたと思いますので、これから勉強する方は2次試験当日にもっていくノート作りも意識した取り組みをすることをオススメしたいです。
色々なところで2次試験の勉強は国語力とか傾聴力という言葉を耳にしますが、それは結果的に解答の作成手順が③与件文読み込み⇒②解答に織り込むキーワード整理⇒①適切なフレームにはめ込むとなるためだと思います。ただ私の感覚だと③⇒②⇒①の手順で解答練習すると、ものすごい手探り感が出てくるので合格に近づいてる気持ちになれないのでは?と感じてしまいます。もし今の勉強方法にモヤモヤしている方は①⇒②⇒③で過去問分析をして再現方法を模索してみると新しい気付きを得られるかもしれません。ぜひ一度お試しください。
ちなみにAAS再現答案に私の解答も掲載されております。ギリギリ合格で高得点答案と比較されると若干恥ずかしいですが目安としてご参照ください。
事例Ⅰ:R04年度事例1(得点 67点)
事例Ⅱ:R04年度事例2(得点 61点)
事例Ⅲ:R04年度事例3(得点 60点)
事例Ⅳ:R04年度事例4(得点 71点)
おわりに
受験勉強もあと残り約2か月です。試験勉強の良いところは必ず終わりがあることです。今振り返ると去年の今頃の私は、なぜかこの時期に転職活動のピークと大きな仕事の山場が重なっており大変だったなぁと思い出しました。どれもこれも終わりがあると思えば何とかなるもんです。しんどい時期もあると思いますが、10月には絶対終わりますのでもうひと踏ん張りがんばってください!
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