こんにちは、花柄です。
これまで約1年にわたり、中小企業診断士合格してすぐに独立開業した経験をリアルタイムでお伝えしてきました。
この12回目をもって、私の診断士開業「できるかな?」も一旦の区切りとさせていただきます。
この春に診断士になる方も、これから診断士を目指す方も、それぞれ資格の活かし方はそれぞれですが、将来的に独立を考えている人にとっては、一つのサンプルとして参考にしていただたのかなと思います。
さて、最後となる今回は、診断士として開業してから、よく訊かれた質問についてQ&A形式で共有させていただきます;
Q1)診断士で開業してから1年〜2年は食っていけないと聞きましたが、本当ですか?
A1)まあ本当だと思った方が良いですが、もちろん例外もあります。
「足の裏の米粒」と揶揄されることもある中小企業診断士資格、「とっても食えない」というのは、ある意味本当です。
率直なところ、貯えもなく会社をやめて独立というのはお勧めできません。
ただし、例外はあります;
①既にコンサルタント業のお仕事をされており、一定のスキルがある方
②ITや生産管理などにおいて現場力があり、特定の分野で知識が十分が活かせる人
③前職の顧客や仕事をそのまま引き継げる人
などです。
世の中、書籍でもネットでも、中小企業で独立していきなり〇〇〇〇万円なんて言っている人の多くが上記に当てはまる人です。成功例の裏には多くの失敗例があることを踏まえておくべきです。
こういったことを踏まえた上で、開業するのであれば1年から2年は生活可能な蓄えと、十分な”使える”知識のインプットをしておくべきです。
中小企業診断士といえどもサービス業です。営業で成果を上げるためには、「サービスの見える化」=はっきりと明示することができる経験・実績や診断士以外の資格などが必要です。
Q2)中小企業診断士協会には入った方がよいですか?
A2)独立するのであれば入会した方が良いと思います。
各都道府県協会で多少の違いはあると思いますが、中小企業診断士協会(診断協会)に入会すると、各種研修会・研究会への参加などの案内や、情報提供を受けることができます。診断士は資格取得したら終わりではなく、資格継続のための取組みや、時代や情勢に合わせたスキルアップが重要です。
一方で、「診断協会に入っても仕事は来ないよ」というのも本当です。そもそも診断協会の役割は、むしろ会員診断士のためのサービスといった面が強いので、協会からの仕事の紹介に期待してはいけません。
ただ、独立診断士の場合、全て一人でやっていけるわけではありません。横のつながりを持っておくという意味でも、診断協会に入っておくというのは一つの方法だと思います。
Q3)プロコン塾(いわゆるプロのコンサルタント養成塾)には入った方が良いですか?
A3)2次試験に合格して中小企業診断士になった方は、入った方が良いと思います。
仕事で中小企業支援をしていた方や、突出した専門分野がある方は別として、はっきり言って中小企業診断士試験の知識だけではプロのコンサルタントにはなれません。実務補習もある意味で、指導員によってお膳立てされたコンサルティングの練習にすぎないと捉えた方が良いと思います。
プロフェショナルとしてコンサルティングの品質向上(=仕事単価の向上)を考えるのであれば、プロコン塾は一つの選択肢だと思います。
Q4)診断士資格と取得した人に、独立開業を勧めますか?
A4)お勧めしません。
今、会社員として安定した収入を得ているのであれば、独立はお勧めしません。定年される予定でも再雇用の道があるのであれば同様です。
まずは、副業で開業されることをお勧めします。
独立したいのであれば、副業の間に顧客を確保し、ある程度、診断士だけで収入が見込めるようになってからの独立をお勧めします。
最後に
皆様、1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。
私の方は、診断士試験合格後は、プロのコンサルタントになるにあたっての自身のスキルアップに注力した1年でした。コンサルタント養成塾もまもなく修了します。小さい仕事ながらも、「診る、書く、話す」の全てを経験することができました。そういった事においては、まずまず予定通りというところです。
これからの1年は、これまでのインプットを活かすべく、どんどん営業をかけて仕事をとっていきたいと考えています。
上述のA4で「お勧めしません」と書いたのは本心です。
いっぽうで私はその独立開業をして良かったと思っています。この1年でいろいろな人と出会い、指導や刺激を受け、応援をされ、導かれていきました。皆さんに感謝しています。
絶対にお勧めしない独立開業ですが、それでも自分は開業するという方が読者の中におられたら大歓迎です。
いつか一緒に仕事ができることを楽しみにしています。
最後に、これを読んでくれた方々の、診断士試験の合格、そして成功・活躍を祈念しています。