わたしの再現答案リアル解説(R05事例4 76点) ずんぴー

こんにちは! ずんぴーです。
前々々回から「わたしの再現答案リアル解説」ということで、私が令和5年度の試験会場で実際に書いた答案をもとに、当日考えていたことなどを振り返っています。前々々回が事例Ⅰ、前々回が事例Ⅱで、前回は事例Ⅲで、今回はラストの事例Ⅳです。

なお、開示された私の得点は、
事例Ⅰ 66点
事例Ⅱ 66点
事例Ⅲ 66点
事例Ⅳ 76点
の合計274点でした。

事例Ⅳだけはちょっと点数が良かったです。

わたしの再現答案はこちら(R05年度事例4 76点) ずんぴー

解答の振り返りを行う前に、私がやってた時間配分について少しだけ説明します。

時間配分・問題を解く順番

とにかく時間がないのが事例Ⅳです。
いろいろと試行錯誤して時間配分を決めていきました。
時間配分を行うことの最大の目的は、「リソースを適切に配分し、得点を最大化するため」です。

私は勉強を進めていくにつれて、事例Ⅳに関して以下の4点が大事だなと感じるようになりました。

1.事例Ⅳで大事なのは、他の受験生を出し抜くことではなく、他の受験生に置いて行かれないこと
2.相対評価である(みんなが取れる問題は取らないとまずい
3.第2問・第3問(CVPやNPV)は後ろの小問になるにつれ正解者が少ない
4.人間は必ず計算ミスをやらかす

という前提で、ああでもないこうでもないとやっていった結果、次のような時間配分に至りました。

第1問(経営分析) 17分
 ↓
第4問(記述問題)8分
 ↓
経営分析と記述問題の見直し 5分(ここまでで30分)
 ↓
第2問(CVP)設問1
 ↓
第3問(NPV)設問1
 ↓
第2問(CVP)設問1 解き直し(ここがミソ)
 ↓
第2問(CVP)設問2以降 ムズいのは飛ばす
 ↓
第3問(NPV)設問1 解き直し(ここもミソ)
 ↓
第3問(NPV)設問2以降 ムズいのは飛ばす
 ↓
とにかく全体を見直す

なるべく重心を手前に持ってくるイメージです。
前半の問題で絶対にミスをしない、ミスに気づく機会をたくさん用意することで、全体の点数の底上げを図っていきました。
時間配分に迷っている方は参考にしてみてください。

自分に合う時間配分を考えるにも練習が要ります。
分野別の問題集も大事ですが、80分で1事例を解くことも大事にしてください

ミス防止策

私はもともと適当人間なので、事例Ⅳにおいてもミスを連発していました。
試行錯誤の結果、ミス対策として実際に私が行っていたことを列挙します。
付け焼刃でいいので、いいものがあればパクってみてください。

  • 財務諸表の数字から指標を計算するときは、左人差し指で該当する箇所を指しながら右手で電卓を打つ。
  • ↑で使った数字の横に「✓」を書く
  • 電卓はいついかなるときも必ず2回ずつ打って確認する
  • 経営分析は解答欄の枠外に鉛筆で、小数第何位までなのか、優れている指標なのか劣っている指標なのかをメモっておく(そして答案を提出する前に消す)。
  • CVPの問題は変動費が何に連動するのかを計算メモ(解答用紙とは別)の冒頭に書く。
  • 計算問題の解答欄には計算する前に単位を書いておく(「百万円」だけ先に書いておくイメージ)。
  • 計算問題の計算メモで数式を書くときは、単位も含めて書く(R4の問題なら「台/月」みたいな)。
  • 見直しをするときは、自分の計算過程を読み直すのではなく、最初からもう一度解き直す。

解答振り返り

第1問(配点20点)

(設問1)

(a)(b)
売上高営業利益率11.59%
有形固定資産回転率71.90回
当座比率311.97%

(設問2)

売上高営業利益率が悪化した原因は①競争激化による売上高の減少、②原材料等の仕入原価の上昇、③新製品の基礎研究費用の増加、④人件費削減を行っていないこと。

経営分析は、
財務諸表を見て、「有形固定資産が増えてないか」「借入金が増えていないか」「借入利息が多くないか」などをざっくり目算。差の激しい指標に当たりをつける
与件文を読み、当たりをつけた指標で間違いがないかどうかを答え合わせする(例:有形固定資産回転率が怪しい、と思っていて、与件文に「稼働率の低い製造設備がある」などの記述があればビンゴ!)
という流れでやっていました。
計算が先か、与件が先か、の論争がよく起きますが、私の場合はどちらかというと計算が先パターンです。

経営分析で肝心なのは、あまりこだわりすぎないことです。たとえば当座比率じゃなくて流動比率だったからといって、それをもってめちゃくちゃ減点されることは考えにくいと思います。
指標選びはほどほどに、指標計算はガチガチに。

記述は具体性と多面性を重視していました。

具体性については、Aによって収益性が高い、Bによって安全性が低いという記述を行う際に、AやBに与件のワードを含めることを意識しました。

多面性とは、収益性・効率性・安全性の観点から書く、というのももちろんですが、何が正解かわかりにくい事例Ⅳの記述は特にたくさんの要素を詰め込んでリスクヘッジすることを意識しました。

ちなみにこの解答ですが、最新版のふぞろいにも採用いただきました。
自分の解答が載ってるのを見たとき、書店で謎の音が自分の口から漏れました。笑

第2問(配点30点)

(設問1)

(1)63.31
(2)1,141,590
(3)3,111,448
(4)14.73

(設問2)

(1)中止すべきで ない
貢献利益が5,000万円で正であるため。
(2)20,000
単位を万円とする
X製品を中止したときの個別固定費は15,000×0.2=3,000
全社の営業利益は
6,000‐10,000‐3,000+1,500=-5,500
Y製品の限界利益率は0.4
(2,500+5,500)÷0.4=20,000

(設問3)

妥当ではない。製品X,Y,Zごとの共通費にかかる活動の消費量が反映されず、製品ごとの収益性を正しく把握できないため。活動基準の共通費配賦を実施すべきである。

計算はちゃんと合わせられました。
30日完成で変動費率と限界利益率を間違えたことを思い出し、その点に注意しながら解き進められました。試験の最中に、勉強した成果を感じていました。

最後の設問3はもう少し改善の余地がありますね。ABC書きたい気持ちが溢れすぎています。
製品によって費用構造が異なる、売上高ベースの配賦だと判断を誤る、ということを書くべきでした。
ABCはあくまでおまけで、本論はこっちでしたね。

記述問題では、コアになる内容をしっかり定めたうえで書く必要があるのだと思います。

第3問(配点30点)

(設問1)

(1)2,585
単位を万円とする
初期投資額△11,000 減価償却費2,200 運転資本の増加額△800 1個あたり限界利益0.6 売却益1,100
正味現在価値は
−11,000-800×0.926+800×0.681+(1,600×0.7×3.993+2,200)+1,100×0.7×0.681=2585.13
(2)△5,702
(3)99
投資すべきで ある

(設問2)

(1)空欄
減価償却費11,000÷4=2,525(ここまで
(2)2年度期首に実行すべきである。初年度末に5,000個であることがわかれば設備投資を回避する。

「設問2は捨て問だ!」と判断して、他の問題の見直しに注力しました。その判断は正しかったと思います。
設問1の減価償却費は、試験前から「わけのわからんNPVが出たら減価償却費だけ書いて撤退」と決めていました(結果ミスってますが、、、)。
設問2の(2)はろくに計算もせず、あてずっぽうで書いています。

ただ、どうせ苦し紛れに書くのなら、「正味現在価値が正であるため、2年度期首に実行すべき」と書くべきでした。
なぜ投資をすべきなのか?→正味現在価値が正だから。
というコアを、ここでもちゃんと書いておくべきでした。

第4問(配点20点)

(設問1)

利点は①製造設備がないため設備の効率性が高い、②設備の維持費や製造人件費等の固定費がなく収益性が高い。

(設問2)

利点は①市場成長、需要獲得による売上拡大、②製造設備にかかる固定費増加に伴う営業レバレッジの向上。

最後の記述も第1問の記述と同様、具体性と多面性が大事だと思っています。詰め込めば何かは当たるはず。
この年度の問題は比較的与しやすい記述でしたが、「そんなもん知るか」みたいな会計的な論点が出題された年もあります。
そういうときでも与件に基づきたくさんの要素を盛り込むことで、少しでも部分点をもぎとることができるのではないでしょうか。

ちなみにこの設問1もふぞろいに採用いただいています。笑

全体の振り返り

事例Ⅳはそこそこ点数良かったのですが、これに関しては作戦勝ちだと思っています。

ちゃんと事例Ⅳで得点を重ねるために、どういう時間配分が必要か、どういう対策が必要かというのをブラッシュアップしていった結果なのだと思います。
自分の犯した間違いやできていないところと向き合うのはしんどいときもありましたが、それをやった価値はありました。

令和6年の二次試験まで残り1か月くらいになりましたが、ぜひ最後まで諦めずに取り組んでいただければと思います。
特に事例Ⅳは、本番での作戦いかんで点数はまだまだ伸びると思います。
ぜひ前向きに頑張ってください!!!

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