本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R05年度事例3 51点) すみだ
こんにちは、すみだです。
前回に引き続きわたしの再現答案についてご紹介させて頂きます。今回は事例3(51点)です。
わたしと事例3
今回わたしの再現答案の解説をさせて頂きますが、まず前提として、わたしは事例3が好きでもないし得意でもありません(笑)。ですので、その前提でお読み頂ければと思います。とはいえ、そんなわたしがどう事例3と向き合ってきたか、なにを気を付けてきたのか、そして何が足らなかったのかについて触れていきたいと思います。
どう向き合ってきたか
わたしは2次試験については一浪で合格だったわけですが、R4年度は18事例・R5年度は30事例を解きました。結果としてはR4が58点、R5が51点だったので、必ずしも量をこなせば報われるわけではないというのが2次試験の特徴なのだと、試験後に改めて感じました。また全事例に共通することですが、わたしは独学だったため、とにかくフィードバックを得るために模試を受けまくりました。基本2次試験は自己採点で演習するのがほとんどだと思うので、自分の解答がどう見られているのかを模試を受け続けることで継続的に追いかけていきました。
気を付けてきたこと
とにかくオーソドックスな解答をしようと準備していました。そのため、本ブログ「みんなの再現答案」を参考に、どんな解答が評価されるのか、基本的な論点が何か、を整理しました。
基本方針 短納期、小ロット化、高付加価値化
生産管理 計画の精緻化&統制強化
生産性向上 稼働率向上orコスト低減
戦略 S×O、W×Tを意識した新事業・新製品
当然ほかにもいろいろありますが、ぜひ皆さんなりに整理していただくといいのかなと思います。
各問題の振り返り
第1問(配点10点)
C 社の生産面の強みを2つ 40 字以内で述べよ。
【解答】
①現経営者や工場管理者の旅館等での料理人経験②設備機器レイアウトが旅館等と同様な事
①については割と素直な解答ができていたと思いますが、②については深読みしすぎたというか、「生産面」という制約条件を気にしたがために強みを見つけられなかった記憶があります。高得点の解答を読んでみると「多品種少量生産」「交差汚染を防ぐゾーニング」を上げているものが見られました。何が強みと言えるのかは、過去問などを通じて知識を蓄積していくことが大切だと思います。
第2問(配点20点)
C 社の製造部では、コロナ禍で受注量が減少した 2020 年以降の工場稼働の低下による出勤日数調整の影響で、高齢のパート従業員も退職し、最近の増加する受注量の対応に苦慮している。生産面でどのような対応策が必要なのか、100 字以内で述べよ。
【解答】
対応策は①総菜製造課の負荷が大きい為、OJTにより多能工化し他の担当でも加工が行えるようにし②C社と決定した内容をマニュアル化し、変更の度に更新する。以上で、生産性と歩留りを改善し増加する受注量に対応。
本問は生鮮性の向上について問われている問題と捉えました。また、問題文にある「パート従業員の退職」に対して具体的な方策が求められていると感じました。わたしの解答でも入れていますが、「多能工化」は高得点の解答でもキーワードとして挙げている解答は多かったようです。一方で高得点の解答に入っている「レシピのDB化」はわたしは書くことができませんでした。「みんなの再現答案」の活用法として、こんな要領で自分の解答と高得者の解答を比較するとよいと思います。
第3問(配点20点)
C 社では、最近の材料価格高騰の影響が大きく、付加価値が高い製品を販売しているものの、収益性の低下が生じている。どのような対応策が必要なのか、120 字以内で述べよ。
【解答】
対応策は①食材や調味料の必要量を経験値ではなく、宿泊予約数等需要量に基づき発注②消費期限基準ではなく、製造工程に合わせた納品を食品商社に依頼③月度生産計画を柔軟に見直し、在庫の入出庫管理等生産統制を徹底し、過剰在庫や廃棄を抑制し収益性を改善。
付加価値が高いのにもかかわらず収益性が低い場合、想定される問題は「粗利が低い」「歩留まりが悪い」「ロス(廃棄)の発生」などが挙げられます。本問での高得点の解答では「入出庫記録による在庫の適正化」「機械化による生産性向上」などが挙げられていました。復習の仕方として、問われ方と解答のキーワードの関係性を整理していくのも方法としてアリではないかと思います。
第4問(配点20点)
C 社社長は受注量が低迷した数年前から、既存の販売先との関係を一層密接にするとともに、他のホテルや旅館への販路拡大を図るため、自社企画製品の製造販売を実現したいと思っていた。また、食品スーパー X 社との新規事業でも総菜の商品企画が必要となっている。創業から受託品の製造に特化してきた C 社は、どのように製品の企画開発を進めるべきなのか、120 字以内で述べよ。
【解答】
企画開発の進め方は、①他のホテルやX社と情報交換を行い、顧客ニーズを収集する②製品開発部の外部人材を中心に、季節感や高級感を売りとした試作品を製造し提案営業を行う。以上により、自社企画のノウハウを社内に蓄積し販路拡大と新規事業に対応する。
基本的にこういう問いが出された場合には、高付加価値路線で解答するパターンがほとんどのような気がします。わたしの点数が高くないのは、おそらくほとんどの解答がこのパターンを押さえられているからで、よりほかの解答が押さえるべきところを押さえているからなのかなと思います。
第5問(配点30点)
食品スーパー X 社と共同で行っている総菜製品の新規事業について、C 社社長は現在の生産能力では対応が難しいと考えており、工場敷地内に工場を増築し、専用生産設備を導入し、新規採用者を中心とした生産体制の構築を目指そうとしている。この C 社社長の構想について、その妥当性とその理由、またその際の留意点をどのように助言するか、140 字以内で述べよ。
【解答】
C社社長の構想は妥当である。理由は①現工場が旅館等の厨房と同様のつくりで②工場管理者も旅館等料理人の経験者で、人・機械ともに旅館等の販売先に対して最適化されている為。留意点は①リードタイム短縮により鮮度維持し、1日2度以上の配送に対応②10数店舗へ納品する為の生産能力を確保する事。
なんかこの年の問題って、異様に問題文が長い問題が多いですよね(笑)。個人的にこういう問題で気を付けていたのは、答え漏れをなくすことです。この問題でいえば、「妥当性」「理由」「留意点」の3つが問われているので、必ず答え漏れがないようにしたいです。またYESかNOか答えるべきところについても、個人の見解で条件を足すことなく、割り切ってスタンスを取ることも大切だと思います。(これは本当に個人的な見解です)例えば、「~であるならば、妥当である」といった解答です。答えとして冗長になってしまいますし、字数が限られている中で何が言いたいのかもわかりづらくなります。基本的には与件文と問題文から判断して答えを示すべきです。実際の診断業務でも「たら」「れば」は入れづらいのと同様です。
さいごに
改めてですが、今回の解答は51点の解答なので、あくまで勉強法の参考や問いとの向き合い方の参考程度にしていただければと思います。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。