本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R05年度事例3 51点) おたけ
試験日まで残り約2週間となりましたが、受験生のみなさんはいかがお過ごしでしょうか?
ラストスパートを掛ける時期だと思いますが、これからまだまだ点数を伸ばすことは出来ますので、残りの期間でやるべきことを整理し、淡々と学習を継続して行きましょう。
今回は私が大苦戦した事例Ⅲを解説します。
少しでもみなさんの反面教師になれば幸いです。
第1問(配点10点)C社の生産面の強みを2つ40字以内で述べよ。
答案
ホテルや旅館の作業に熟知した工場管理者。パートリーダーが直接作業を指導する体制。
(解説)
これは正直良い回答が思いつきませんでした。
1つ目は何とか出てきたのですが、2つ目はうーん、という感じで、えいやっ、と書いてしまいました。
高級旅館や高級ホテルとの接点がのちの自社企画製品の開発にも生きてくるので、その辺りを書けば良かったと反省しています、
第2問(配点20点)
C社の製造部では、コロナ禍で受注量が減少した2020年以降の工場稼働の低下による出勤日数調整の影響で、高齢のパート従業員も退職し、最近の増加する受注量の対応に苦慮している。生産面でどのような対応策が必要なのか、100字以内で述べよ。
答案
対応策は、①受注量が多い惣菜の製造工程で前処理や計量などの作業を機械化し、②レシピをデジタル化することで管理の手間削減や活用の促進を促し製品チェックでの手戻りを減らし、③増加する受注量への対応を図る。
(解説)
ポイントとしては、受注量が増加しているのにもかかわらず、人手が減少しているということです。
ということは、当たり前ですが効率化できるところを効率化するのが必要となります。
考えられる点としては、①受注量が最も多い製造工程が手作業であり、②レシピが整理されずにいる点です。
①は何か自動化できるものを導入し、②は整理して活用できるようにするのが対応策になります。
この設問は比較的他の設問に比べて回答しやすかったと感じています。
第3問(配点20点)
C社では、最近の材料価格高騰の影響が大きく、付加価値が高い製品を販売しているものの、収益性の低下が生じている。どのような対応策が必要なのか、120字以内で述べよ。
答案
対応策は、①食材などの使用量を標準化しシステムで実需に基づく生産計画を立て不要な在庫を減らし、②入出庫管理や進捗管理も同じシステムで行い廃棄ロスや在庫費用を削減し、③自社のホテルと同じ設備を使い効率的な業務ノウハウを提供することで高付加価値化を目指す。
(解説)
これも苦し紛れの回答になっています。
収益性の低下なので費用の削減は盛り込んだのですが、さらに何か付加価値をつけるべきでは、と考え、③で訳の分からない回答を書いてしまいました。
おそらく前半部分の在庫管理の部分をもうひとつくらい入れてまとめれば良かったと反省しています。
第4問(配点20点)
C社社長は受注量が低迷した数年前から、既存の販売先との関係を一層密接にするとともに、他のホテルや旅館への販路拡大を図るため、自社企画製品の製造販売を実現したいと思っていた。また、食品スーパーX社との新規事業でも総菜の商品企画が必要となっている。創業から受託品の製造に特化してきたC社は、どのように製品の企画開発を進めるべきなのか、120字以内で述べよ。
答案
対応策は、①製品開発部で雇用した外部人材のノウハウを生かして製品開発を行い、②既存の販売先や新規取引先から最終消費者の顧客ニーズを把握し商品開発に活かし、③ニーズに合う製品提供で受注を増加し製品開発のノウハウの蓄積を促す。
(解説)
これも正直何を書けば良いかわかりませんでした。
①、②はそのままで、③でホテルのレシピを生かした回答にすると良かったかなー、という感触です。
第5問(配点30点)
食品スーパーX社と共同で行っている総菜製品の新規事業について、C社社長は現在の生産能力では対応が難しいと考えており、工場敷地内に工場を増築し、専用生産設備を導入し、新規採用者を中心とした生産体制の構築を目指そうとしている。このC社社長の構想について、その妥当性とその理由、またその際の留意点をどのように助言するか、140字以内で述べよ。
答案
構想は、①現状はパートタイム中心でノウハウが蓄積しにく、②X社の需要取り込みによりノウハウを蓄積できるため、妥当である。留意点は、①専用設備とすることでX社への依存度を高め価格交渉力が弱くなるため、②他の需要も取り込めるような設備を導入する。
(解説)
ポイントとしては、設問にある①新規事業と②専用生産設備の導入、という2点です。
①新規事業について、自明かと思いますがノウハウの蓄積も無いため失敗するリスクが高いです。
②専用生産設備について、専用とある通り他の生産へ転用することが難しいです。
①と②の要素を考慮すると、いきなり大幅に投資した場合、失敗して投資した金額を回収できない可能性が高いです。
ということは、リアルアプションなどで段階的な投資をすることが良い、という結論になります。
社長の方針としては、新規事業に積極的に取り組む方針で、工場を増築しないと新規事業は難しいです。そのため基本的に構想は妥当言えますが、段階的な投資を行うことを留意点として助言するのが大筋の流れだと思います。
ただ、私の回答ではこのあたりが含まれていないので、含めていけば良かったと後悔しています。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
私のような苦し紛れの回答でも何とか50点台には乗せることが出来たのでその点は良かったですが、令和5年度のようにいきなり傾向外の設問が来る可能性も十分にあり得ます。
だからといって何か対策がある訳ではありませんが、「そういうこともある」ということが頭にあるだけでも焦らずに対応できる可能性は高まりますので、是非私を反面教師に試験に臨んでいただけると幸いです。