こんにちは!吉田晴香です。
このブログでは、事例Ⅰ超苦手😭だった私が31点アップ🫡に成功した秘訣についてお話ししています。
前回のブログでは、設問解釈トレーニングの重要性と、プロセスについてお話ししました。
今回はもっと具体的に、過去問をとりあげてご紹介したいと思います!
取り上げるのは、平成30年度の第1問です!
ステップ⑤は、皆さんに1度は実践していただきたいです!
だまされたと思って…やってみてください!
それでは早速いってみましょう!
設問解釈のプロセス~前回ブログより~
設問解釈プロセスの詳細な説明については、前回のブログをみてくださいね!
1)個々の設問の設問文を確認
- ステップ①時制の確認
- ステップ②レイヤー(階層)を想定
- ステップ③解答の型を想定
- ステップ④解答に必要な情報を整理
- ステップ⑤仮説をたてる
2)全体の確認
- ステップ⑥設問間の連携、テーマの確認
平成30年度 第1問 で解説!
第 1 問
研究開発型企業である A 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から 100 字以内で答えよ。
ステップ①時制の確認
「ターゲットとしている」(=現在形)
→過去から現在にかけての段落が第1問の範囲となると判断。
ステップ②レイヤー(階層)を想定
「競争戦略の視点から」
→競争戦略の視点から理由をとのことなので、戦略の根拠、つまり、環境分析を行う問題であると判断。
また第1問ということからも内部環境や外部環境を分析する問題であると判断。
ステップ③解答の型を想定
「競争戦略の視点」
→競争戦略の視点で分析したということがわかるように、「ポーターの競争戦略」でキーワードとなる「差別化」や「集中」、あるいは対比として、「コストリーダーシップ」というキーワードは必ず用いたいと考える。
「なぜか」「理由」
→素直に、「理由は、」を主語として、結論は「差別化戦略や集中化戦略、あるいは差別化集中戦略が有効だから」という型になると考える。
「100字」
→読みやすさを考えると、理由を因果の構成で50字×2つくらいあるとよいなと考える。
まとめると、
「理由は、①<因→果で差別化集中できる理由>なため、②<因→果で差別化集中できる理由>なため。」
という解答の型を想定しておく。
ステップ④回答に必要な情報を整理
「研究開発型企業」
→一次知識より、A社はMOT経営や技術に特化している企業なのかと考える。そして、これらは専門性を高めることが優位性を保つカギであり、差別化戦略との整合がとれる。
与件文に「研究開発」や「専門性を高めた」といったワード、これらに関する情報があればチェックが必要と考える。
「相対的に規模の小さな市場をターゲット」
→一次知識より、A社は特定市場、ニッチ市場をターゲットとしており、こちらは集中戦略との整合がとれるなと考える。「ターゲット」や「ターゲットのニーズ」に関する情報があればチェックが必要と考える。
「競争戦略の視点」
→先述にはあるが、一次知識より「ポーターの競争戦略」の「差別化」や「集中」というキーワードが出てきたらチェックが必要と考える。
まとめると、研究開発、技術、専門性、相対的に規模が小さい市場、ターゲット、差別化、集中、専門性などこれらのワードが与件文にあれば解答の根拠となり得ることをここで整理しておきます。
ステップ⑤仮説を立てる
ステップ④をまとめると、A社は特定市場に向けて、技術の高度化に限りある経営資源を注入している。
そして技術を高度化しつづけることで他社との競争を回避して独自のポジションを築いているのではないか、と仮説を立てることができる。
そして、ここからさらに深く思考する。
深く思考するとはどういうことかというと、
設問文の強弱を考えたり、逆接的なアプローチで設問文を自分で作り変えてみたりして、仮説をたてるということです。
「仮説思考でさらに深く思考する」とは、
設問文の強弱を考えたり、逆接的なアプローチで設問文を自分で作り変えたり、仮説をたてること
なぜ「研究開発型企業である」という枕詞があるのでしょうか?
別にこの枕詞はなくてもいいと思いませんか?
「 A 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。」
この問い方でも十分な気がしますよね。設問として十分成立します。
「研究開発型企業である」という枕詞に何か意味があるのか。
それを探るには、比較してみるとよいです。
「 A 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。」
「研究開発型企業である A 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。」
このように並べて比較してみるとどうでしょうか。
「研究開発型企業である A 社」としているのには必ず意図があるはずだと思えてきませんか。
これは「研究開発型企業」に注目しろ、という出題者からのメッセージに他ならないのではと私は考えます。
そうすると、この「研究開発」こそがA社のコアなのではないかと仮説がたちます。
ポイントは、逆接で思考することです。
仮に、「研究開発型企業でないA 社」だったら…「相対的に規模の小さな市場をターゲット」にした戦略はとれない、今の市場で独自のポジションは築けていないのではないか。
時代とともに、製品が変わっても、顧客が変わっても、コの部分は変らない。
このコアを守り、磨き上げながら独自のポジションを築いている。そんなA社の組織・人事の問題なのかな、と仮説を立てることができます。
また、本問では戦略の理由が問われています。
「相対的に規模の小さな市場をターゲット」とする理由です。
A社にとってこの戦略が得策であるからだろうと考えられますが、この戦略がよいかどうかの判断は、他の戦略と比較することで初めてできるわけです。
そう、ここも、逆接で思考しましょう。
「相対的に規模の小さな市場をターゲット」としているA社と、
仮にその戦略を採用しなかった場合、つまり、
「マス市場をターゲットとしたA社」「コストリーダーシップ戦略をとった場合のA社」だったら、どうだったのだろうと考えるのです。
「 A 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。」
「 A 社が、マス市場をターゲットにしなかったのはなぜか。」
「A社が、ターゲットを絞り込んでいなかったらどうなったのか。」
といったかたちで比較してみるとどうでしょうか。
すると、経営資源が分散してしまうな、マス市場だとA社のおそらく高度と考えられる技術はニーズが薄いかもしれないな、強みが発揮できないのかもしれないな、と考えることができます。
このように、設問文の強弱を考えたり、逆接で思考して自分で設問を作り変えてみたりして、仮説をたてていく-仮説思考をすることで、出題者の要求をより深く捉えることができるのです。
あくまで仮説です。
この時点では与件文を読んでいませんので、決め打ちは禁物です。
ですが、たった2行の短い設問文でも、枕詞や言い回しにも注意を払うことで、ここまでイメージが広がるのです。
ただ読むだけだと抽象度が高い設問文だと感じるかもしれません。
ですが、仮説思考をすることで、設問文が具体的に、クリアになると考えます。
仮説思考を行うことで、出題者の要求をより深く捉えることができる!
ただ設問で与えられたキーワードだけを頼りに与件文を読みに行くのと、
自分の中で設問の真の要求をクリアにして、A社の具体的なイメージをもって与件文を読みに行くのとでは、
読んだ後に記憶に残るA社の情報量・質が全然違います。
これは、実際に試していただくことで実感していただけると思います。
以上が、設問解釈でした!!
第1問だけでこんなに長くなってしまうとは・・・
このブログが何か皆さまの気づきになれば幸いです♪
それでは、またお会いしましょう!