くろのゆです。本日もお読みいただき、ありがとうございます。
まず、8月3日・4日と1次試験を受験された皆様、お疲れ様でした。筆者は7月の頭から1か月弱海外をいろいろ回っていたのですが、帰国してから日本の蒸し暑さは群を抜いているなと感じている今日この頃です。そんな猛暑の中、2日間の真剣勝負を全うされた皆様に良い結果がもたらされることを願ってやみません。
はじめに
さて、このブログ上でも9月の2次試験模試の案内が掲載されていますね。ということで、今回は模試の使い方に関する記事です。
当たり前ですが、模試を受ける最大のメリットは、自分の立ち位置がよくわかることです。特にこの時期の模試は、5月ごろのものより受験者の平均レベルが上がっているため、自分の立ち位置・強み/弱みの分野がより正確に把握できるはずです。
なお、一発合格を目指して1次試験に集中していた受験者や、場数の少ない初年度の受験生はここからもうひと伸びしてくるので、たとえ評価がよくても慢心は禁物です。点数や判定をむやみに気にするのではなく、問題ごとに自分の得手不得手を可視化し、追い込みに備えましょう。
今日は、模試の効果的な利用の仕方のほか、いくつかの予備校の試験問題の傾向についても私見を述べます。
模試の使い方①:自分の感覚を作問者の意図にチューニングする
客観的に正答が一義的に決まる1次試験と違い、絶対の正答が存在しない2次試験では、受験者の視点と作問者や採点者の視点の違いを意識することが非常に重要です。
特に経験の乏しい受験者は目の前の1問1問をこなすことに必死になりがちですが、作問者はⅠからⅣまでの事例全体で問うべきテーマを余すところなく問えるよう、与件文と設問文いずれも無駄がないように緻密に構成しています。このような2次試験で全体を俯瞰する作問者の視点が欠けていると、複数の設問で同じ診断の切り口から回答してしまったり、逆にあるべき助言の切り口が抜け落ちた回答になってしまい、概して点数が伸び悩むことが多いと考えられます。
特に独学の受験生はこの弱点が浮き彫りになりがちで、どうしても自分以外の視点を取り入れる機会が少ないことがウィークポイントになりがちです。私も2次試験の1回目は独学でしたが、自己採点では点数を甘くつけてしまったり、自分の解答のクセに気づかないことがほとんどで、独りよがりの評価になりがちだったなと反省しています。
このような前提のもとで模試を受けることは、実際に近い問題を通じて、自分の感覚を作問者の意図に近づけられるよう、チューニングをするよい機会です。多くの模試受験者は、受験者平均点が高いのに点数が低い問題(=できないといけないけどできていない問題)を見直すことは一般的だと思いますが、もう一歩進んで、得点の見通しと実際の点数がズレている問題、自分ではよく読めていたと思っていたのに点数が伸び悩んだ問題などを重点的に復習すると効果的です。
模試の使い方②:試験当日の流れをシミュレーションする
本番に近い想定で試験を受けることを通じて、実際の試験本番でパフォーマンスを高めるための経験値を豊富に積むことができます。また、効果的なシミュレーションのため、試験はなるべく会場で受験することをお勧めします。例えば、以下のような項目を会場で体感したり、事前に想定しておいて実際との乖離を覚えておいたりすると、より実践的だと思います。
- 会場や受験生の雰囲気・緊張感
- 1日で4事例を一気にこなす疲労感、どうやって休み時間にリフレッシュするか
- 自宅を何時に出て、どのようなルートで会場に到着するか
- 昼食に何を食べる・どこで用意するかの計画
- 集中力を上げるためのルーティン
- 一人になれるスペースの探し方
※もちろん、会場ごとに状態は千差万別なので、試験本番の会場がわかったら別途シミュレーションすべきなのは言うまでもありません。
模試の使い方③:本番直前に初見の問題を調達する
これは少し裏技的ですが、自宅受験可能な模試に申し込んで、問題・解答解説の一式を受け取ったうえで、あえて受けないというのも有効な選択肢です。
特に過去問を周回するタイプの受験生の方だと、直前期(本番1~2週間前)に完全に初見の問題がなくなってしまい、出題範囲や傾向の異なるかなり古い年度の問題しか手元に残らないというケースも発生しかねません。
採点自体は有効期限が定められているため点数や順位は付きませんが、模試を受けずに取っておくことで、初見の問題に時間内に対応するトレーニングが直前まで可能というメリットがあります。
(おまけ)予備校別・模試の傾向
最後のセクションでは、くろのゆが過去受けた模試の経験から、各校の出題の傾向をお伝えしておきます。1校だけでなく、傾向の異なる複数校の模試を受けておくとより効果的だと思います。
※AAS以外の校名は伏字にしてあります。また、あくまでも筆者の主観による感想であり、各校の公式見解ではありません
①AAS⇒スタンダードな出題で、同校のメソッドを忠実に実践できているかを問う問題が多い印象です。しっかり基礎が積みあがっていれば、飛び道具を使わなくても高得点を取れる傾向にあると思います。
②L社⇒試験本番の難易度を想定して、難しめ・取り組みにくい問題を意図的に出している印象です。かなり難しい問題も出してくるので、点数や判定は低く出がちだと思います。解説も講師陣が個性的な書き方をしていて、読むだけでも面白いです。
③C社⇒与件文で比較的ユニークな書き方をしていたり、設問文であまり見ないタイプの条件を出してくるなど、トリッキーな出題が多い印象です。本番でも必ず出てくるであろう、スタンダードから外れた出題に慣れる上で有効だと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました!