事例Ⅳから逃げずに徹底強化しよう(くろのゆ)

くろのゆです。本日もお読みいただき、ありがとうございます。本記事の公開翌日、9/3は1次試験の合格発表日ですね。とはいえ、続けて2次試験に挑戦する方は喜ぶ間もなく筆記の勉強を進めなければいけません。そこで今日は、2次試験突破に向けて外せない事例Ⅳの強化について、筆者自身の反省も踏まえつつ書いていきます。

目次

事例Ⅰ~Ⅲで高得点!は幻想

文系の方で、事例Ⅳがどうしても苦手な方、事例Ⅳから逃げてはいけません

もう一度言います。事例Ⅳから逃げてはいけません

何を隠そう筆者も文系学部出身で、簿記の資格を取ったり、仕事で財務会計のことを扱ったりはしていても、事例Ⅳは勉強を始めて早々に挫折しました。正味現在価値(NPV)の計算や損益分岐点分析などを短時間に正確に行うのが苦手で、ケアレスミスがどうしてもなくならず、最悪足切りにならない程度の点数をなんとか確保して、他の事例で取り返そうという考えを抱いていました。

が、それは今振り返ると非常に甘い見通しでした。

正解があり、合格基準に達すれば誰でも通過できる1次試験と異なり、2次試験のほとんどの問題には絶対的な正解はありません。さらに、2次試験は上位20%程度を合格させるための相対評価です。また、事例ごとの難易度の変動や、取り上げられる企業の業界に馴染みがある/ないといった相性差も当日に問題用紙をめくってみないとわかりませんので、事例Ⅰ~Ⅲで80点以上などど飛び抜けてよい点数を取れるケースは非常に少ないのではないかと思います。

逆に、事例Ⅳはやればやるだけ高得点をとれる期待値が高いです。実際、くろのゆの令和4年・5年の2次試験の点数は以下の通りです(R4は事例Ⅳが非常に難解で、得点調整が入ったと言われていますので、実際の点数はもっと低いはずです)。

事例Ⅰ事例Ⅱ事例Ⅲ事例Ⅳ合計
R450745656236
R564646169268

このように、2年目の試験で最も高得点だったのは事例Ⅳでした。何が問われるか試験本番まで分からないほかの事例と異なり事例Ⅳは計算問題が多く、解法のパターンを知っていれば楽に解ける問題も少なくありません。特に8月からから本腰を入れて対策を始めたような方は、何においてもこの事例Ⅳを優先して伸ばしておく必要があります。

事例Ⅳを得点源にするための方針

まず、事例Ⅳを得点源にできるくらいには鍛えましょう。特に数字が得意な方は75点以上、すごく苦手だという方でも60点を目指すようにしましょう。

そしてそのためには、財務分析・損益分岐点分析は絶対にできるようにしておく必要があります。これらは出題パターンがある程度決まっていて、かつ計算も平易なことが多いためです。近年は財務分析の問われ方が少しずつ変わっていますが、慌てずに対応できるよう、過去問演習をしっかりやっておきましょう。

最後に、投資決定(正味現在価値分析)は解ききれると最高です。多くの受験生にとっての鬼門になる単元なので、これができるだけでわかりやすく差別化できます。とはいえ、最初の小問からかなり難解な計算が出ることも多いため、場合によっては勇気をもって捨ててしまってもよいです。計算式やアプローチを書いて部分点を狙うことはもちろんですが、確実に取れるほかの問題を優先したほうがトータルの期待値は高いはずです。

簡単な計算問題でも、ケアレスミスがなくなるまで愚直に繰り返す

だいたい夏ぐらいまでは答練と並行して、毎日事例Ⅳの計算問題を最低1問は解くようにしていました。教材は筆者が受講していたAASの講座に付録の練習問題のほか、「中小企業診断士2次試験事例IVの全知識&全ノウハウ」(同友館)でした。

とはいえ、実際に手を動かしてみるとやはり計算ミスのクセはなかなか抜けず、挫けそうになることもありました。
そんな時に思い出したのは、中学時代の数学教師の「ケアレスミスなんていうものはない」という言葉でした。ミスをした人は「ケアレスミス」という言葉で片付けようとするが、実際にはそれぞれ理由があるのだから、理由を見極めて適切に対処することでなくせるという趣旨の言葉です。

この見地に立って考えてみると、計算ミスにもいくつかの要因があります。

  • 与件文の読み間違い
  • 設問文の読み間違い
  • 適用する計算方法のミス
  • 途中の計算結果のミス
  • 数値の解答用紙への転記ミス

などなど…

そこで計算ミスをしたときは、必ずノートの上部にその理由を書いておくことにしました。例えば「R3の減価償却費の符号が逆」「小数点以下第1位までと言われているのに第2位まで書いている」とかです。これによって、自分が犯しがちなミスの要因を可視化し、つぶせるようにしていきました。計算ミスがなくなるまで同じ問題でもひたすら解き続け、結局教材類を3周はしたと思います。

結局本番でも数か所計算ミスを犯してしまったのは少し残念ですが、それでも解くべき問題をしっかり解ききれるようになっていたことが大きかったと思います。

イケカコを2周する

事例Ⅳの教本の王道といえる大塚宗春先生の「意思決定会計講義ノート」(イケカコ)は、事例Ⅳの教科書として非常に評価が高いですが、講義パートも練習問題もレベルが高く、この分野が苦手な受験生は敬遠しがちです。が、どれほど苦しくでも2周は回すことをお勧めします

というのも、掲載されている練習問題は、簿記1級や会計士試験の過去問から取られていて、事例Ⅳの問題より複雑で難しいことも少なくありません。歯を食いしばってでも2周しておけば、実際の試験の現場でもかなり自信がつくはずです。

また、事例Ⅳの記述問題のテーマは、イケカコの講義内容から出されていることもあるため、計算問題以外の部分もスキマ時間を見つけて読んでおくとよいと思います。どうしても計算が苦手な人は、論述で稼ぐしかありませんから。

おわりに

実際、筆者は上で紹介した計算練習やイケカコを夏ごろまでに徹底的に繰り返してから9月の模試や過去問答練にチャレンジしてみると、一年前には歯が立たなかった事例Ⅳでも、しっかり戦えるようになっているのを実感しました。

最後に、AASのWeb本科コースでは、事例Ⅳの基本解法の講座や新作・過去問の答練を受けることができます。さらにイケカコを題材にした講座も配信されていて、イケカコはとっつきにくいと感じていた筆者には格好の導入でした。時間の限られる試験時間中にしっかり解き切るための便利な計算方法や、苦手な人が多いであろうキャッシュフロー計算のコツなど、実践的なノウハウも学べました(宣伝みたいになってしまっていますが、本当におすすめです)。

ここまでお読みくださりありがとうございました!

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