財務分析、まずどこを見るか?

こんにちは、最上です。

中小企業診断士をやっていると、
診断士試験とは関係なく、就職先や取引先の選択などの一般論として、
「企業を見る際に何処を見るか?」
と言う質問を受けることがあります。
診断士毎に回答は異なると思うのですが、私の場合は、粗利率つまり売上高総利益率と回答します。
粗利率は本業の直接部門の収益性を表しているからです。
一般管理費の間接費用は業務改革で比較的削減しやすい一方、
本業の利益率は変えて行くのが難しいです。。。
受験生の皆さんが、ここをすんなり納得してもらえれば良いのですが、ピンと来ない人もいると思います。

私がいるIT業界でも、顧客をコンサルティングしながらシステム構築を行う会社もあれば、
単にプログラミングを請け負うだけの会社もあります。
プログラミングだけを行う会社の利益構造は簡単で、プログラマーの給料に利益を乗せたのが売上になりますので、低粗利です。
ただ、単にプログラミングをするのではなく、AIのように高度なツールやハイスペックなサーバー環境を使用している場合は、コストにサーバーやツールの減価償却費が上乗せになり、更にそのツールを使いこなす技術料も付加して、受注額の交渉が出来ます。
また、顧客がシステム構築に失敗しないように、コンサルティングを行えば、それを付加して受注額を上乗せすること出来、高粗利となります。このような結果が、粗利率に表れて来ますので、粗利率が、重要と思われます。
IT業界では、従業員1人あたりの売上高に表れることもありますが、一般的ではありませんね。

診断士試験の事例4の財務分析問題の話をすると、
従業員1人あたりの売上高が正解となるような問題が出題されたことはありませんので、
従業員1人あたりの売上高を回答するのはギャンブルとなります。
ただし、本業の収益性が問題点となっていて売上高総利益率を解答して欲しい出題は頻出されます。
この場合に、売上高総利益率ではなく、経常利益率で回答するのは、出題者の意図に外れる気がします。
本業に課題がある場合も経常利益率にも影響は出て来ますので、
経常利益率でも不正解とはしにくく、この辺で、受験校毎に回答メソッドは異なるのですが、
私個人としては核心をついて欲しいと思っています。

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