窓口相談は2次試験と似ている

AAS東京の加藤雄紀です。

受験ノウハウについては他の講師が色々書かれているので、今回は診断士試験の受験勉強がいかに診断士業務に役立つか、というお話をします。

中小企業診断士の代表的な業務の一つとして「窓口相談」というものがあります。
私も公的機関などで窓口相談を担当することが増えてきました。

これは、診断士として大変勉強になる仕事です。

もしも受験生時代に窓口相談の業務経験があれば、試験ももっと受かりやすかっただろうに、と思う時があります。
もちろん、合格しないと診断士業務はできないので、そんなことは不可能なのですが。

窓口相談では1件の相談に30分から1時間で結論を出します。
融資とか創業とか補助金申請とか、相談テーマは限られているのですが、短時間で妥当性の高い診断と助言を行わなければなりません。
また、その診断・助言は報告書として文書化する必要があります。
端的に、短文で、誰が見てもすんなり意味がわかる、的確な文書化が必要です。
どうですか。
これって、そっくりですよね。
そう、診断士2次試験そのものです。

窓口相談を担当すると、見る「決算書」の数が飛躍的に増えます。
財務諸表を見て、その企業の課題を瞬時に見つける嗅覚が養われてきます。
また、財務諸表だけでなく、業種、ビジネスモデル、規模、業歴、経営者の年齢など、様々な情報を総合的に受け取って、可能な限り正確な診断を、しかも短時間で行う必要があります。

この仕事をやっていると病院のお医者さんって大変だなぁ、と改めて思います。
次から次へと色んな患者さんが来るわけですものね。
医者にとっては数ある患者の一人に過ぎなくとも、患者にとっては人生を左右するような診断になるかもしれない。
それを考えると医者の責任とストレスは想像するに余りあるものですが、そうした真剣な診療行為を通じて医師として成長していくのでしょう。

そして、中小企業診断士も「企業経営の医師」です。
診断士にとっては数ある相談者の1人でも、窓口相談に来所する社長にとっては、社運をかけた相談かもしれないのです。
そういう真剣勝負の経験を積むことで、診断士として磨かれていきます。
実際、決算書や企業概要が「語りかけてくる」ような気がするときがあります(たまにですが)。

そんな経験を積んだ診断士が「診断士を目指す新人」に求める能力、それを試験問題にしたら、きっとこうなるだろうな、そんな問題が2次試験問題です(たぶん)。

合格には確かにテクニックも重要です。
しかし、企業の情報を総合的に受け取って的確な診断・助言をする、これこそが診断士の本分です。
いつもの受験勉強に飽きたら、そんな視点で過去問を眺めてみてはいかがでしょうか。
何度もやった事例問題であっても、また違った見え方がすると思います。

 

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