読者の皆さん、こんにちは。AAS東京の金森です。
前回(5/10)の投稿で、5月から新たに公的な中小企業支援の職に就いたことを書きました。
現在は、とある地方都市の中小企業・起業家支援施設にて、師匠の下で修行中です。住んでいるマンスリーマンションの隣が田んぼのため、夜はカエルたちの大合唱が聞こえてきます。
現在修行しているその施設では、毎日何人もの中小企業経営者の方たちが相談に訪れます。
相談者の声に耳を傾け、特に売上アップにつながる提案を行うというのが課されたミッション。
そこで何より重要なのは、企業の「強み」を発見することなのです。
「灯台下暗し」、自分のことを一番自分がよく分かっていない、というのは往々にしてあることですよね。
そんな相談者のキラリと光る「強み」を見つけることから中小企業支援はスタートします。
実際の支援の現場では、経営者との対話がその企業の「強み」を見つけるための一番の方法ですが、診断士二次試験では経営者へのヒアリング結果を記した「与件文」から「強み」を見つけ出すことになりますね。
そこで「強み」を発見するためには下記の2つの手順が必要になってきます。
- 与件文に書かれている「強み」を「強み」であると理解する
- 与件文の中で「強み」を視覚的に見落とさない
一つ目は盲点なのですが、書かれている文章を「強み」であると正確に判断できるかどうかということです。
そんなこと当たり前にできるだろうと思われるかもしれませんが、意外と難しかったりします。
例えば与件文に下記のように書かれていたら皆さんはどのように捉えますか?
「プラスチック成形加工業者であるB社は、技術力に裏付けられた高い品質が、取引先からも評価されている。一方、従業員の人手不足もあり、技術者が営業担当を兼ねているが、営業活動に注力できず売上は横ばいが続いている」
「技術者が営業担当を兼ねている」ことは「弱み」でしょうか。
もちろん与件文の前後の文脈などにもよりますが、技術者自らがその高い技術力を説明して営業活動を行えることは強みと呼べるかもしれませんよね。
このように、経営者にとって「弱み」だと思っていたことが実は「強み」だったということもあるのです。
「強み」を「強み」であると認識することは思いのほか難しいものだと思います。
なお、私は「強み」を示すキーワードの代表的なもの
「け」 経験
「ち」 知識
「の」 ノウハウ
「こ」 こだわり
「し」 信用/信頼
「ぶ」 ブランド
「ぎ」 技術
を記憶しておき、これらの単語が出てきたら条件反射的に「強みだ!」と反応するようにしていました。
二つ目は、与件文を読む中で「強み」であると認識した文章を、目立たせるということです。せっかく「強み」を発見したにもかかわらず、その後見失って解答に使えないということになってしまっては元も子もありません。
ちなみに私は、SWOTを下記のように蛍光ペンで色分けしていました。
「S」 強み
「W」 弱み
「O」 機会
「T」 脅威 ※弱みと脅威はマイナス要因として同じ色にしていました。
特に「強み」は他と区別できるように独立した色にするなどして目立たせておくべきですね。
確実に「強み」を見つけて正解へ近づきましょう!