こんにちは。AAS東京の三木です。
いよいよ今週末は1次試験ですね。
ここまできたら当日の体調を万全にすることを最優先にしましょう。
私が2次試験学習の最強のテキストだと思っている「中小企業診断士 実務補習テキスト」のエッセンスを、事例問題と連動させながらシリーズで解説していきます。
事例Ⅰでは、問題文に「中小企業診断士として述べよ」「中小企業診断士として答えよ」というフレーズがでてきます。中小企業診断士になるための試験ですから、診断士になりきって解答するのはあたりまえのように思いますが、何か特別な意味があるのでしょうか?
過去問で確認してみましょう。
(協会のHPでは平成18年度以前の問題は掲載されていませんが、AASのHPでは現在の試験制度が始まった平成13年度まで入手できるってご存知でしたか?しかも全事例の再現解答用紙付きなので、セルフ模試に便利です。)
平成30年度 事例Ⅰ 第4問
平成29年度 事例Ⅰ 第4問、第5問
平成28年度 事例Ⅰ 第2問(設問1)、第3問
平成27年度 事例Ⅰ 第3問、第5問
平成26年度 事例Ⅰ 第5問
遡ってみると、設問文にこのフレーズが出てこないのは、平成18年度と平成17年度だけでした。
(ちなみに、両事例とも与件文中で「中小企業診断士にアドバイスを求め」たり、「知り合いの中小企業診断士に相談」しています)
「中小企業診断士として」というのは設問分解で言うところの制約条件ですね。このフレーズはどのように解答の方向性を制約しており、その制約にどのように対応すれば良いのでしょうか?
まず、設問の区分が「助言」だということですね。しかし、設問文に「助言せよ」と明記していますので、二重に制約する必要性は低いですよね。(平成29年度第5問や平成27年度第3問も今後のことに関するので助言といえるでしょう)
さて、この制約条件に対応するためのヒントが、「新制度の最初の年の最初の設問に示されている」と考えるのは、できすぎでしょうか?
さっそく問題を確認してみましょう。
平成13年度 事例Ⅰ 第1問
なんと、助言問題ではないのに、「中小企業診断士」というフレーズがでてきます。
しかも与件文に解答の根拠が見当たらない知識問題です!
皆さん、まずは解いてみてください。
??????????????
この試験は正解が公表されませんので、正しいと思われる答えを類推するしかありません。
そこで、中小企業診診断協会が発行している、実務補習テキストの内容を参考に答案を考察してみましょう。
【第1プロセス】経営者ニーズ確認、経営実態把握
【第2プロセス】経営環境分析
【第3プロセス】経営資源分析
【第4プロセス】経営課題抽出(SWOT分析)
【第5プロセス】全体最適調整
【第6プロセス】改善提言・改革提言
【第7プロセス】経営診断報告
戦略策定は【第6プロセス】に相当しますので、まず行うべきは第2から第4プロセスの分析であるということですね。
すなわち、「中小企業診断士として行なう助言は、事例企業の分析に基づいて行わなければならない」というのが解答の骨子であり、それ以降毎年のように示される「中小企業診断士として」という制約条件の意味ではないでしょうか。
そして、目指すべき合格答案とは、『その内容が、実務補習における「診断」「計画」の7つプロセスを踏んで作成されたことが、採点者に伝わるもの』であると言い換えることができるのではないでしょうか。
事例問題にも、経営診断報告を作成する意識で取り組みたいですね。
ちなみに、受験生時代に作成したマイベスト答案は次の通りです。
戦略策定にあたって、経営を取り巻く内外の環境(強み・弱み・機会・脅威)を明らかにするため、SWOT分析を行うべきである。(60字)