こんにちは。AAS東京の三木です。
AAS東京では今週末の10月5~6日に合格判定合宿を予定しています。自分の答案に対する客観的な評価が得られる最後の機会になると思います(解答用紙は当日中に採点してフィードバックされます)。
もちろん順位もつきますが、ブービーの悔しさに一念発起して合格した先輩もいますので、結果を冷静に受け止めて本試験に役立てたいですね。
私が2次試験学習の最強のテキストだと思っている「中小企業診断士 実務補習テキスト」から学ぶシリーズの第4弾、事例Ⅳ編です。
「中小企業診断士として」というフレーズの視点から各事例の過去問を振り返ってきましたが、事例Ⅳでは近年このフレーズがほとんど登場しません。
(平成20年度以前に遡ると、与件文の最後に「特に財務的な観点から中小企業診断士に診断・助言を依頼してきた」という文章が定型的に使われていました)
そこで、ここ10年間で、このフレーズが登場する事例問題がひとつだけあることに注目してみました。
過去問で確認してみましょう。
(協会のHPでは平成18年度以前の問題は掲載されていませんが、AASのHPでは現在の試験制度が始まった平成13年度まで入手できるってご存知でしたか?しかも全事例の再現解答用紙付きなので、セルフ模試に便利です。)
平成24年度 事例Ⅳ
与件:第4段落
設問:第3問(設問2)
与件文には解答の根拠になりそうな記述はなく、事業承継に関する一次知識がないと解答するのに困ってしまいそうですが、1次試験を合格して2次試験に臨む皆さんは、中小企業診断士の座右の書ともいえる中小企業白書などから必要な知識は整理できていると思いますので、その内容を200字に整理して解答を書けばよさそうですよね。
すなわち「中小企業診断士は、試験勉強を通じて習得した知識を活用し、論理的に提言してほしい」というのが「中小企業診断士」というフレーズのもうひとつの意味ではないでしょうか。
でも本当にそれだけでしょうか?
ということで、事例ⅠからⅢと同様に中小企業診診断協会が発行している、実務補習テキストの内容に照らし合わせてみましょう。
第Ⅱ章 5項 実務補習における「診断」「計画」のプロセス
【第1プロセス】経営者ニーズ確認、経営実態把握
【第2プロセス】経営環境分析
【第3プロセス】経営資源分析
【第4プロセス】経営課題抽出(SWOT分析)
【第5プロセス】全体最適調整
【第6プロセス】改善提言・改革提言
【第7プロセス】経営診断報告
そうすると、実務補習における「診断」「計画」のプロセスの、【第6プロセス】である改善・改革提案に該当していることがわかります。
そして、このプロセスで最も重要なポイントとして、「具体論で示すこと」という説明が明記されていました。
この事例では、設問文に「オーナー夫婦には後継者がなく、親族にも経営を任せられる人材が見当たらない」「場合によっては旅館の売却を伴う事業承継も視野に入れている」という制約条件があります。
M&Aを含む第三者承継について解答することになりますが、決して知識だけで答えるのではなく、従業員、旅行代理店、同業他社(大都市圏からのお客も多い温泉地という立地から類推)といった与件文に登場する方々を承継の相手候補と想定して、具体的に解答する必要があるということです。
すなわち「中小企業診断士は、診断先の経営者の視点で提言を見直し、具体的に提言してほしい」というのが「中小企業診断士」というフレーズのもうひとつの意味ではないでしょうか。
事例問題にも、知識をベースにしながら、事例企業の状況に応じて具体的に解答する意識で取り組みたいですね。
私の本試験前の投稿はこれで最後です。
本番まであと19日、頑張ってください。
『再現答案は試験直後に作りましょう!』