AAS東京の加藤雄紀です。
突然ですがクイズです。
次の設問文【ア】と設問文【イ】では、出題者の意図がどのように違うでしょうか。
【ア】
A社の創業期の製品の多くがA社の主力製品に育たなかったのは、精密加工技術を用いた取引先の製品自体のライフサイクルが短かったこと以外に、どのような理由が考えられるか。
【イ】
A社は、創業期、大学や企業の研究機関の依頼に応じて製品を提供してきた。しかし、当時の製品の多くがA社の主力製品に育たなかったのは、精密加工技術を用いた取引先の製品自体のライフサイクルが短かったこと以外に、どのような理由が考えられるか。
いかがですか。
設問文【イ】には、【ア】にはない、
「大学や企業の研究機関の依頼に応じて製品を提供してきた。しかし、」
が存在しています。
設問文【イ】では、【ア】と違って、出題者が、わざわざ「この視点で解答して欲しい」と指定しているのです。
まさにAASでいうところの「設問の制約条件」です。
【イ】は、平成26年本試験事例Iの第2問です。
出題者は意外と親切です。
受験生の解答が集約するように制約条件を入れています。
(そうしないと解答が分散して採点しづらいのでしょう)
ところが、出題者がせっかく入れている制約条件を「何気なく」読み飛ばしてしまう受験生がいます。
せっかく与えてくれているのに!
本試験で制約条件を読み飛ばさないためにはどうしたら良いのでしょうか。
それは「手順を決める」ことです。
「全ての設問を、気合いを入れて読む!」 とかいうのは「手順」とは言いません。
本試験をイメージしてみてください。
解答用紙、問題用紙が配られ、試験官が「始めてください」と宣言します。
さあ、その後の手順を決めていますか?
問題用紙の表紙を破るとか、段落の間に線を引くとか、
人それぞれ手順があるでしょうが、 お聞きしたいのは
「設問文の制約条件を読み飛ばさないための具体的な手順」
のことです。
その手順を決めることで、解法が標準化され、解答品質が上がるのです。
AASの講座でもそうした手順を伝授しています。
みなさんもぜひ、ご自身の手順を確立しましょう。