試験合格は「手段」か、「目的」か。

みなさんこんにちは、土曜担当の増田です。
担当最後のブログは、受験生の方々に向けたエールをお送りして、幕を閉じたいと思います。

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「手段か、目的か」

という議論は、ビジネスにおいて、人生に置いて、よく聞く話ですよね。
しかし、そうとわかっていながらもいざ“自分のこと”となると、これを履き違えてしまうことがしばしばあります。

そこで、改めて受験生のみなさんに問いたいのは、
「今のあなたにとって、診断士試験合格は手段か、目的か。」
ということです。そして、
「診断士になって、何をしたいか。」
を改めて考えて頂きたいと思います。

診断士の勉強を始めた当初は、
「コンサルタントとして独立して、3,000万円稼ぎたい!」
とか、
「今の会社で働きながら資格を取って、キャリアアップしたい!」
といった感じで、それぞれの目的や、野望があったことと思います(笑)

しかし、受験を重ねるに連れて、そうした想いもいつしか薄れて行き、
「これまで時間もお金も費やして来たんだし、合格して元を取らないと・・・」
「家族にも職場にも迷惑をかけてしまったから今さら後に引けない。来年こそは合格しなければ・・・」

と考えてしまうようになり、気がついたころには、
「・・・あれ、自分はどうしてこの資格を取ろうとしてたんだっけ?」
「取った後どうするかは、取ってから考えればいいや!」

という境遇に陥ってしまいがちです(苦笑)

こうした現象は、経済学的には「サンクコスト」やら「損切り回避バイアス」などで説明されるところですが、これらを回避するのは容易ではありません。
そこで、以下2点をアドバイスさせて頂きます。

①初心を忘れない。
今も続いているかはわかりませんが、自分がAASに通った当初、
「診断士になって何をしたいか」を整理する、という課題が出ました。
自分の場合は、
「農業経営コンサルタントとして、農業者の経営高度化・大規模化に寄与する。」
といった目標を掲げ、受験勉強はその目標達成のための手段なんだ、と心に戒めるようにしました。
このようにして、自分にとっての目的を明文化し、いつでも目の届くところに掲げておくことで、初心を忘れず、目の前のタスクに落とし込んで臨むことが出来ます。

②撤退の条件を決め、公言する。
損切りできずにいつまでも時間と費用を費やすことのないよう、タイムリミットを設けることも重要です。
自分の場合は、
「20代のうちに診断士に合格する」という目標を立て、それを周囲に公言しました。
このようにして、自分自身を背水の陣に置くことにより奮い立たせるとともに、
多年度受験生が陥ってしまいがちな心の甘えを防ぐことが出来ます。

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最後に、エピソードを一つ。

受験生時代、NPOなどのコンサルティングを専門にする先輩診断士に試験勉強について相談した際、その方は、
“試験合格を目的化してもよい”
と話していました。理由を問うたところ、こう言われました。

「NPOの活動を支援しようとしたとき、診断士という資格が必要になった。
だから自分は、受験勉強のために仕事を辞めて一年間がむしゃらに勉強した。
重要なのは、手段か、目的か、という議論ではない。強い想いを持ってすれば、手段自体も合目的化しうる。

この話を聞いて、自分は頭をガツンと頭を叩かれたような気分になりました。
「自分は果たして本当に診断士という資格を取りたいと思って勉強していたのか。」
「勉強している自分にただ満足してしまっていたのではないか。」
「自分はこの先生のように何かを手放してでも必死になって試験に向き合おうとはしていなかった。」
という考えが脳裏を巡り、そして、
「試験に合格できないのは経験や能力の不足ではなく、格好ばかり気にして努力しようとしていなかった自分の覚悟の問題だ。」
ということに気づかされました。

ブログをご覧になっているみなさんも、様々な境遇で受験勉強を行っていることと思います。
目の前の問題集に向き合うことももちろん重要ですが、休憩の時など、たまには目を上げてご自身の初心を思い返してください。
目標に向けていま自分がどのような地点に立ち、どのように向かっていこうとしているのかを、周囲を見回して確認してください。
そして、熱意を秘め、覚悟を決めて、試験合格に向けて邁進してください!!

冒頭申し上げましたが、三か月続いたブログも今日でお仕舞いとなります。
末筆となりますが、これまでご覧下さったみなさんに感謝を申し上げるとともに、
「未来の診断士」であるみなさんのご武運とご多幸を祈念しております。
またどこかでお会いできることを心待ちにしています。それでは!

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