海外在住の受験生へ、今伝えたいこと

こんにちは。AAS卒業生、典茶漬け(のりちゃずけ)です。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で勉強会やセミナーの中止や図書館閉鎖など、学習環境にも多大な影響が出ているようですね。

特に、受験のためには国を跨いで行き来しなければならない海外在住の受験生への影響は甚大です。現在東南アジア在住で、今後日本での実務補習を控えた身の自分には、とても他人事とは思えません。

これを書いている時点(2020年3月末)で、居住国の全土に非常事態宣言が発令中。日本との往復便もほぼすべて運休で、仮に入国できたとしても厳しい行動制限が待っています。つまり、受験はどころか仕事や家族・友人の一大事でも帰国することができない状況です。(参照:外務省海外安全ホームページ

とはいえ、受験はまだ数か月先。

やや希望的観測ではありますが、今後事態が急激に好転し受験の1か月以上前には収束、移動や行動における制限が緩和している可能性もあります。

しかしそれはそれで海外在住の受験生にとっては、社会的責任の重い判断が求められるという、難しい局面に立たされることになります。なにより、これから試験までの間ずっと先行き不透明な状態に置かれ続けること自体が大変苦痛でしょう。

いくら一時帰国による受験経験が豊富でも(悲しいほどに多年度)、今回のような困難は未経験。苦悩を分かち合うことはできても、役立つアドバイスなどできようもありません。それでも無い知恵を振り絞り、できるだけ受験生の立場に寄り添って、今できることを考えてみました。

最悪な事態を想定し、思い切って割り切る

海外在住の受験生にとって、試験が通常通り実施されるにも関わらず参加できないということは最悪の事態。

こんな時期にさらに心が重たくなるようなことは考えたくないかもしれませんが、どの要因が最悪の事態に繋がるのかを冷静に整理することをお勧めします。

自分自身の感染や検疫隔離の場合は当然として、滞在国における非常事態宣言の発令(外出禁止・国際線の運航停止)や、日本の外務省による感染症危険レベル3(渡航中止勧告)以上が出ている場合も個人が悩む余地はないでしょう。それ以外にも勤務先や家庭などの個人的な事情により、様々な要因が挙げられるかと思われます。

最悪の事態を想定しておくことは、本当にそうなった時のショック緩和や、その後の気分切り替えや行動がスムーズになるという効果に繋がります。しかしそれ以上に重要なのは、挙げた要因の殆どが「自分がコントロールできるものでない」ということを改めて認識することです。

自分でコントロールできるものでなければ、心配しても意味がありません。それが分かっていれば、想定外が起きた時も「その時はその時」と、いい意味で割り切れるのではないでしょうか。

想定シナリオで決断を前倒し、人生の優先順位を再確認する

悩ましいのは、今後各国の非常事態宣言が解除され日本への渡航が可能となり、「受験するorしない」の判断が個人に委ねられるようになった場合です。

例えば次のようなケース(想定シナリオ)では、どのような判断をされるでしょうか。

想定シナリオ1:日本では感染収束、滞在国ではピークは越えたものの未収束

”試験4週間前の時点で日本往復を含む国際線は限定的に運航しており、搭乗時に健康証明書の提示が求められるなど制限付きではあるが渡航可能。しかし、各国政府は引き続き不要不急の渡航の自粛と、入国後14日間の自主隔離を要請している(法的拘束力なし)。これらの制限や要請がいつまで続くかは不明。”

想定シナリオ2:日本も滞在国でも感染収束

”試験4週間前の時点で日本往復を含む国際線は通常通り運航しており、特別な制限なしで渡航可能。しかし、各国政府は越境者に対し、渡航や滞在にあたっては十分注意することを要請しており、入国後もしばらくはできるだけ人が集まる場所への外出を避けるなど、自主的に責任ある行動をとることを推奨している。”


発生可能性が高く、且つ自分が決断に迷いそうな状況をできるだけ具体的にシナリオとして想定する。そしてその想定シナリオに対し、家庭や勤務先で求められる対応などを勘案しつつ、「受験するorしない」の決断と、「受験する」場合はその為に必要となる対策を前倒しで仮決めしておきましょう。

できれば仮決め内容について事前に周囲に話しておくと良いかもしれません。家族や勤め先、友人、スクール講師や学習仲間などに意見を求めることにより、実行することで伴うその他のリスクや社会的な許容度などを多面的に確認ができると思います。

このような「想定シナリオ>決断(仮)>周囲に相談」のプロセスは、自分の心の奥にある「人生の優先順位(軸)」を再認識する作業でもあります。ぶれない軸があれば、今後別の有力シナリオが現れた際にも迷いなく、しなやかに対応できるでしょう。

ただでさえ年一回の試験で、来年も同じコンディションで受験できるか分からない中、自らの意思で辞退を選ぶのは本当に辛いことです。しかし、優先順位を誤るのは後々もっと大きな後悔に繋がりかねません。こんな時だからこそ、自分にとって何が一番大切かを十分自覚した上での判断を心掛けたいですね。

最悪を覚悟して、最善を尽くす

最悪の事態を割り切って受け止める余裕を持ち、悩ましい事態への対策を立てておけば、もう困ることはありません。仮にすべてが杞憂に終わったとしても、今安心して学習に取り組むことができたのならば、それはそれで良し。新型ウィルスの件でこれ以上今後の心配はせず、今に集中しましょう。

受験できるか・するべきかで心揺さぶられ、安心できる情報を求めてネット検索に時間を費やしている間に、日本の受験生は着々と学習していることを忘れずに。

別の最悪な事態「今年はもう無理だと油断し学習を怠っていたら、受験できることになった!」を回避するためにも、もしくは満を持しての来年度受験に繋げるためにも、今年受験できることを前提として計画通り学習を進めましょう。

それでも学習へのモチベーションが上がらない・集中できないのならば、今の日系中小企業の状況や経営者の心境を想像してみてください。

事業継続計画(BCP)が未整備のまま大急ぎで顧客・従業員対応、ミニマムオペレーション体制構築、そして売上減少に伴う資金繰りの悪化への対応・・・・。もう課題てんこもり、手一杯の状態です。このままの状態が長く続けば、今後大小問わず多くの事業者が生き残りを賭けた闘いを強いられることになります。

特に日本よりドラスティックな法規制発令や経済悪化の直撃を受ける海外進出の日系企業にとっては、その国の事情を踏まえた専門的な経営相談や金融相談等のサポートが必要となります。

すでに中小企業診断士として尽力されている先生方のように、必要とされたとき、期待以上の働きで事業者の力になれる。そのために今は力を蓄える時と捉え、地道に合格を目指しましょう!

 

・・・とはいえ願わくば、上記内容全て私の考え過ぎで、数か月後には「そんなことで心配してた時期もあったね」と、笑って振り返ることができるようになっていますように。

 2020年3月某日、近所にある大学キャンパス内(散歩コース)で撮影

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