与件を”能動的”に読む

皆さんこんにちは。
AAS東京の石渡です。

先日の講座で受講生の方から、与件を読むトレーニング方法ついてご相談をいただきました。私は受験時代に読む工程に沢山の課題がありましたのでいろいろと試行錯誤をした記憶があります。

ということで今日のブログは、与件の読み方についてです。

2次試験の難易度を高めている要素の1つに80分という時間的制約が挙げられます。短い時間で与件の情報を処理し、わかりやすい解答に落とし込まなくてはなりません。そのためには、「読む」プロセスと「考える」プロセスを同時並行的に行うのが効果的でしょう。つまり、考えながら読むのです。”能動的に思考を働かせて読みにいく”イメージです。

平成29年度 事例Ⅰ 第1段落の文章を例にしてみましょう。

「近年では、全国市場に展開することを模索して、創業時から取り扱ってきた3種類の主力商品に加えて、新しい菓子の開発に取り組んでいる。同社のビジョンは、売上高30億円の中堅菓子メーカーになることである。」

という文章があります。この文章に思考を働かせてみると

「近年」
思考:環境変化か?現在や今後の戦略に関連する大事な文章だ。

「全国市場に展開」
思考:市場面では全国に広げるのか、組織・人事体制は十分か見ていこう。課題があるかもしれない。成長ベクトルで考えて、製品面はどうだろうか?

「創業時から取り扱ってきた」
思考:創業は何年だったかな・・そうだ直前の文章にあった、2000年か。17年は主力商品が続いているんだな。

「主力商品に加えて、新しい菓子の開発」
思考:お、きた、製品面。新商品の開発か。しかも現在進行中。新しい菓子で新市場を開拓ね。これはA社の戦略であり方針であることを意識しておこう。そのための組織・人事を考慮しよう。

「ビジョン」
思考:これは頭に入れておかないといけない。この達成に向けて助言しよう。大切な文章だ。

「売上高30億円」
思考:今はいくらだっけ・・8億か・・するとあと何年?・・結構大きく成長しないといけないな。

「中堅菓子メーカーになること」
思考:今はまだ中堅未満ということか。

どうでしょうか。”読みに行っている”イメージが伝わりますでしょうか。この少ない文章の中にもこれだけ思考を働かせることができます。こうすることで解答に近づけるスピードが上がるはずです。

でもどうやったら、このように思考を巡らせられるのでしょうか。それにはやはりトレーニングが必要です。トレーニング方法としては、与件を読みながら考える項目をリストアップするのがおススメ。

リスト化のイメージはこんな感じです。

分類 項目 与件ワード例 思考
環境分析系 環境変化 近年 環境が変わった⇒対応する(戦略の転換)
特定事業依存 影響されて、左右されて 依存?⇒脱却したい
過去の成功体験 ~に成功 成功例として(どこかの設問で)使えるかも

このようなリストを日々の学習で積み上げていき、ブラッシュアップを重ねます。
上記の「分類」は戦略レイヤーや事例別に分けるのがおススメです。
与件の文章をただイメージするのではなく、このようなリストを頭に定着させ、与件を読み進める際の”特殊レンズ”として機能させます”特殊レンズ”を通して与件文を能動的に考えながら読み進めます。他の与件文や設問文との関連も意識が必要です。
こうすることで与件を読み込む精度や思考力のアップにつながることでしょう。
80分の時間的制約の中で効果的に与件文を読む方法として、参考になれば幸いです。

新型コロナウィルスが猛威を振るっておりますが、行動・体調に気を付けつつ、引き続き頑張っていきましょう!

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