皆さん、こんにちは。AAS東京の金森大輔です。
中部地方の中小企業支援機関で働く、4人の息子を持つ40歳の診断士です。
前回に続き、事例Ⅳ第1問の定番「経営指標選択」について取り上げます。
経営指標選択は下記の3つの切り口で考えるべし、というのは前回のおさらいです。
- 収益性(利益率)
- 効率性(回転率)
- 安全性
中でも「収益性」選択においては、絶対に外してはいけないセオリーがあります。
さっそくですが下記の損益計算書をご覧ください。
問題となる収益性指標はどれでしょうか。考えてみてください。
さて、主な利益率を計算してみると下記の通りとなりますね。
ご覧のように、いずれも悪化しています。
実際に本試験で与えられる損益計算書もこのようなケースが多いと思いますが、頭を抱える必要はありません。
ここからが鉄則です。
収益性指標の選択においては必ず「費用比率」を計算すべし
各利益率に影響を与える「費用比率」を計算してみると・・・
「販管費比率」「支払利息比率」は前年から変化していません。「費用比率」のうち悪化していたのは「原価率」だけでした。
このことから言えるのは、
営業利益率や経常利益率の悪化原因はすべて、売上原価率の悪化にあった
ということです
与件文の中から、原価、販管費、営業外損失の問題点を探すのも当然ですが、まずは数字上、客観的に明らかな、「費用比率」を計算することを忘れないでください。
実はH29年本試験も同様な論点で、決して「売上高営業利益率」を選んではいけない問題でした
利益率の課題の陰には「費用比率」あり
ということをぜひ頭に入れておいてくださいね。