こんにちは、ほそかわ(仮)です。
1次試験を受験された皆さん、本当にお疲れ様でした。試験自体もさることながら、試験日・会場・感染予防対策など試験終了までピリピリした日々が続き、気力体力ともに消耗したことと推察します。試験日が例年よりも約4週間早く実施されたため、2次試験まで残り14週間となります。今週末まではゆっくり休まれてはいかがでしょうか。ということで、この記事は来週月曜日以降に読んで下さい(笑)
概要
対象(誰に):2次試験受験者
内容(何を):解答手順作成の意義
方法(どう):私の解答手順紹介
内容
第6回目は、2次試験の解答手順についてお話します。最初に申し上げておきますが、万人に共通するベストな解答手順はありません。試験本番まで自分にとってベターな手順を探求し、更新と練習を積み重ねていくことが必要です。
下記に示す手順は私が受験時代に試行錯誤を重ねて作ったものですが、改めて見てみると、今もう一度これをやれと言われてもできる気がしません(汗)当時はこの手順を作成・記録し、本番直前まで微調整をしました。
実際には80分という短い時間の中で、これら全てをカバーしているかをチェックする暇はありません。完璧主義の傾向が強い人は特に注意が必要です。「策士策に溺れる」にならないように。大切なのは、解答手順の作成・練習によって、思考の幅とスピードを向上させるということです。
この解答手順は2次試験に特化したものではありますが、将来経営コンサルタントとして企業診断や中小企業施策を活用する際の思考プロセスに通ずるものだと思います。そのことを意識しながら作成すればより良い解答手順になることでしょう。私は当時そこまで考えていなかったので偉そうに言えませんが、参考になれば幸いです。
私の解答手順
概略
1. 事前準備
2. 全体俯瞰 ⇒ 仮説設定
3. 設問理解 ⇒ 解答骨子作成
4. 与件整理 ⇒ 仮説検証・修正
5. 解答草案
6. 答案作成
詳細
1. 事前準備
1.1 受験番号記入
1.2 問題用紙を半分に破く(ホチキス付いたまま)
1.3 段落間に線を引く
1.4 文字数・配点の確認
1.5 事例の特徴を思い出す
事例Ⅰ
組織戦略:戦略に合う組織、組織文化の醸成
人事戦略:モラール向上、能力向上
事例Ⅱ
売れる仕組み:STP、4P
サービストライアングル:エクスターナル、インターナル、インタラクティブ
地域貢献:連携、協業、環境
事例Ⅲ
短期課題:弱み克服(短納期化、低コスト化)
長期課題:強み活用(市場機会、高付加価値化)
生産管理:PDS x QCD
事例Ⅳ
収益性:売上向上、費用削減
効率性:CF改善、投資効率
安全性:資本調達、リスク回避
2. 全体俯瞰
2.1 事例の概要確認(与件の最初と最後の段落を読む)
企業概要:業種、従業員数、経営理念
相談内容:経営課題、社長の思い
2.2 各設問の概要確認
マーキング:題意、解答文字数、目的、制約条件
問題の種類を特定:分析/助言
2.3 戦略レイヤーを特定:環境分析/経営戦略/機能戦略/成長戦略
2.4 事例テーマの仮説設定(出題者の意図を想像する)
3. 設問理解
3.1 文章構成の選択
解答文字数100字以下 ⇒ 切り口2つを並列
解答文字数100字以上 ⇒ 結論+切り口2つを並列
3.2 解答骨子の作成
結論:主語+述語
根拠:結論の過程を与件事実から因果で示す
具体例:誰が何をどうしたか、誰に何をどうするか
効果:分析結果、目的達成、課題解決
参考例
・分析問題(事実 ⇒ 影響 ⇒ 結果)
問題/理由は、①誰が何をどうしたことにより、結果となった、②~、ため。
・助言問題(目的 ⇒ 課題 ⇒ 施策 ⇒ 影響 ⇒ 効果)
施策/助言は、①課題に対して誰が何をどうすることで 効果を出す、②~、こと。
3.3 切り口の抽出
優先:設問文の制約条件
共通:内部/外部、製品/市場、既存顧客/新規顧客、国内/海外
事例Ⅰ:組織戦略/人事戦略、構造/文化、モラール/能力、正規/非正規
事例Ⅱ:客数/客単価、店舗/通販、広告/口コミ、営業/体験、顧客/従業員
事例Ⅲ:短期/長期、QCD、計画/統制、見込/受注、販売/生産/技術/調達、受信/発信
4. 与件整理
4.1 精読(キーワードにマーキング)
イエロー:企業理念、社長の想い、経営課題、創業経緯、転換時期
ブルー:強み(特に無形資源)
ピンク:弱み(戦略とアンマッチ、競合との差)
グリーン:機会(顧客ニーズ、環境変化、社会貢献)
オレンジ:脅威(PEST、5F)
赤スラッシュ:逆説(“~が”の後ろに)
4.2 通読(マーキングを中心に全体ストーリーの確認)
市場:機会、需要
顧客:属性、ニーズ
製品:強みを活かしたモノ/コト
効果:経営改善、顧客満足、地域貢献
時系列:過去、現在、未来
5. 解答草案
5.1 設問毎に切り口を選択
5.2 各設問と与件のリンク付け(与件の脇に該当設問番号をメモ)
5.3 解答骨子に切り口・キーワードの当てはめ
5.4 全体の方向性を確認(環境変化に合わせた戦略になっているか)
5.5 各設問の一貫性を確認
6. 答案作成
6.1 SWOT問題と経営分析問題は最後に書く
6.2 主述と因果を明確に短文で書く
6.3 与件の単語や言い回しを使って書く
6.4 一通り書いた後に大幅修正をしない
今回はこのへんで失礼します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
自己プロフィール
職業:会社員(製造業、機械系エンジニア)
年齢:40代
受験生期間:4年(令和元年2次試験合格)