皆さん、こんにちは。AAS東京の金森大輔です。
中部地方の中小企業支援機関で働く、4人の息子を持つ40歳の診断士です。
一次試験を受験された皆さん、お疲れ様でした。今年は検温があったりマスク着用だったりと異様な雰囲気の中での格闘だったものと思います。
中には、自己採点で初めての一次試験突破の事実を知り、慌てて二次試験の準備をされている方もいることと思います。
6年前の私がまさにそうでした。
二次試験についての基礎知識が全くない状況から、とりあえずT社さんの過去問集を購入し解いてみるものの、解答解説を読んでもいまいちピンとこず・・・。
ネットサーフィンしてたどり着いたのがAAS合格者の再現答案でした。
(平成27年度のページには私も掲載されておりますのでよろしければご参照ください)
そしてAAS東京の直前合宿の存在を知り、AAS講義の洗礼を受け、結局その年は準備が足りず不合格となってしまいましたが、その後、正式にAASの門をたたき、今に至っています。
(今年はコロナの影響でAAS名物直前合宿はありませんが、通信受験の公開模試とZoomを使った実力アップ講座が開催されますので是非ご検討ください!)
これから約3ヶ月(今年は例年より長い!)の二次試験対策には色々な方法があるかと思いますが、ただ一つ確実に言えるのは、
ということです。
事例Ⅳはその他事例とは異なり、計算問題主体のため、基本的に答えは一つに決まります。
できる人とできない人の差がつきやすく、特に合否を分ける科目だと思います。
私の知る限りでも事例Ⅳの結果が芳しくなく合格した人はほとんどいません。
そんな事例Ⅳの出題テーマは主に下記の3つです。
- 経営分析(経営指標選択)
- CVP分析(損益分岐点分析、限界利益と貢献利益)
- 設備投資の経済性(NPV、回収期間)
中でも経営分析については、受験校でも多少模範解答の分かれる厄介なテーマです。こちらは私のこれまでのブログを是非参照ください(また4週間後にも続きを投稿予定です)。
そして、CVP分析と設備投資の経済性といった、いわゆる「管理会計」分野については、もちろん過去問をこなすことが最良の対策であることは間違いありませんが、下記の書籍が理解に役立つと思います。
通称:イケカコノート。銚子ケメ子さんのブログでも紹介されている、事例Ⅳ対策のバイブル。「管理会計」の「参考書」兼「問題集」として適度な分量でまとまっているのが特徴です。かれこれ約20年前に発売された本書ですが、診断士2次試験対策用としては色あせることなく、試験問題との類似性を挙げれば枚挙にいとまがありません。著者の大塚宗春氏は早稲田大学教授を務め、会計検査院長も歴任された方で、診断士二次試験の事例Ⅳ試験委員に対しても絶大な影響を与えてきたと言われています。なお、イケカコノートは、本来は公認会計士試験や簿記1級試験の対策のための参考書ということもあり、正直やや難しい内容です。
また、「事業部の業績評価」「在庫管理」「活動基準原価計算(ABC)」など、診断士試験には出題されにくい論点も含まれていますので、必要と思われる箇所のみ取り掛かるのでよいでしょう。
ただ、「品質原価計算」のように、記述問題として出題(H25事例Ⅳ)される可能性もありますので、読み物としては全体を熟読しておくとよいでしょう。思わぬプレゼントがあるかもしれません。
なお、さすがに20年近く前の書籍であるということから、問題の設定として固定資産の減価償却について残存価額が設定されていたり、法人税率が40%だったりと古い会計基準や税法にのっとっているところにはご注意ください。
著者の金子智朗氏はビジネスマン向けの「管理会計」をテーマにしたセミナー講師としても引っ張りだこ。私も本書の第1版を読んでからファンとなり、セミナー受講時にサインをもらったこともあるくらいです。本書では「財務会計と管理会計の違い」から始まり、事例Ⅳの定番論点である
CVP分析(損益分岐点分析)
NPV計算(投資の評価)などについて、会話形式で解説が進められており、分かりやすく本質的な理解が得られます。コラムも充実していて、読み物として十分に楽しめます。あくまで参考書であり問題集ではありませんが、まさにタイトル通り「管理会計の基本」はこの書籍を読めば身に付くはずです。中に「業務改善の効果」という項目があります。これまで事例Ⅳではこの手の出題はなかったですが今後出題されてもおかしくないと思える面白い論点です。
二次試験本番まで残り3ヶ月という、今年特有の猶予をうまく活かして、事例Ⅳで差を付けられるように頑張りましょう!