こんにちは。AAS東京卒業生の盆栽イチ朗です。
1次試験も無事に終了し、受験生の皆様は次の目標に向けて始動されていることと思います。診断士試験においては、2次試験が最大の難関と言っても過言ではなく、昨年私は2次試験に合格して、「やっと診断士としてのスタートラインに立つことができた」と思っていました。ところがその後、「スタートラインはまだ遠い」と思うようになりました。
2次試験は筆記と口述の2段階の試験ですが、山場は筆記試験であることは周知の事実であると思います。すんなりと1回で通る方、2回、3回、それ以上、と苦労して通る方、諦めて別の道を歩む方、様々です。そんな筆記試験を乗り越えた先にはどんな景色が見えるのでしょうか。
1.緊張の最終関門
落とす試験ではないと言われながらも、5回目の2次筆記試験でようやく口述試験の受験資格を得た私は、「まだ2次に合格したわけではないから」と気を引き締めていました。筆記試験通過後、4事例の与件を入念に読み込み事例全体像の整理と理解に努め、さらに想定問題を繰り返す毎日でした。前日にAAS東京の模擬面接に参加させていただきイメージを体感でき、思ったよりも平常心で会場入りできました。
長い受験生生活もこの最後の10分間に全てがかかっていると思うと、部屋の前で自分の番を待つ時間は緊張感が最高になりました。幸い試験の雰囲気は和やかな印象で無事に終わりました。口述試験を終え2次試験の合格発表で自分の受験番号を確認したとき、晴れて診断士としてのスタートラインに立つことができたと思っていました。
2.疾風怒濤の1か月半
2次試験の合格発表の日、私は次にやることを決めていました。診断士として登録されるための実務補習に申し込むことです。合格前から15日コースで一気にと決めていましたが、東京地区は定員に達するのが早いと聞いていましたので、合格発表直後にすぐさま申し込み、年明け2月、3月の受講が決定し安堵しました。
この実務補習が始まってから、「スタートラインはまだ遠い」と思ったのです。わずか2時間程度の社長ヒアリングをもとに診断報告書を仕立てる生みの苦しみを味わいました。「スタートラインは診断士登録だ」と思い直しです。最初は当然勝手もわからず、戦線離脱の危機さえ感じました。徹夜にはならなかったのですが、良き指導員、メンバーにも恵まれ少しずつ慣れて苦しくも楽しい充実した日々でした。最終日に登録申請書類を出したときの達成感もひとしおでした。
3.万感のスタートライン
実務補習を終了しておよそ2か月が経過した5月に中小企業診断士登録証を手にすることができました。キャッシュカードサイズの登録証、これを手にするために今まで頑張ってきたのだという過去への思いと、いただいたからには活用しなければならないという未来への使命感に重みを感じました。官報にも実務補習で苦楽を共にした仲間たちと一緒に名前が掲載され嬉しかったです。ここが診断士としてのスタートラインであると実感したのです。
その後、診断協会にも入会し研究会など、少しずつですが受験生時代からやりたいと考えていた診断士活動を始めています。その他の活動も含めて、受験生が診断士になるとこれほどまでに世界が変わるのか、良い意味で何かすごい世界に入って来たな、とつくづく思います。
以上、私の体験談になりましたが、2次試験は難関ですがゴールでもスタートでもなく、診断士になってスタートだと思ったのです。もちろん、目の前の試験に集中することは大事ですが、モチベーション維持・向上も不可欠であり、ときには合格の先、診断士になった自分をイメージすることも良いのではないでしょうか。
それでは今週も皆様にとって素敵な1週間になりますように。