こんにちは。AAS東京卒業生の盆栽イチ朗です。
本日は、2次試験の実戦対策となる過去問と新作問題の活用方法について、様々な考え方があると思いますが、私自身の経験に基づく考えをお話しいたします。結論として、過去問、新作問題、それぞれに有効活用の方法がある、と考えています。
1.過去問
受験勉強は過去問に始まり過去問に終わるとか、過去問を3回転とか、5回転などと言いますが、1次試験対策ではなく、2次試験対策となりますと、「同じ過去問に難度も取り組んでも、受験校などの模範解答を覚えてしまって意味がないのではないか?」と疑問に思ったことが幾度となくあります。そのような過去問の繰り返し学習のポイントは、80分で解答を作成するというよりは、思考プロセスをじっくり辿ることだと考えています。
具体的には以下の5点を重視します。
(1)与件から、社長の考え方、企業の課題、方向性などをつかむこと
(2)設問文から、題意、制約条件、さらには戦略レイヤー(環境分析か、全体戦略か、組織・人事など個別戦略か)、診断か助言か、などをつかむこと
(3)設問文から活用が考えられる1次知識を想起すること
(4)解答の根拠となる与件の段落、記述に着眼すること
(5)以上を踏まえ、解答の切り口をイメージし、解答骨子をシンプルに因果で作ること
上記のポイントは、標準的な時間配分で言えば前半の40分ぐらいに行うものであり、電車の中などでも取り組むことができる活用方法です。何故その解答に至ったのか、というプロセスを何度も考えることは、地味ですが力のつく取り組みであると経験則から言えます。
2.新作問題
受験校の模擬試験をはじめとする新作問題は、「そもそも模範解答が示されない試験であり、プロが研究、作成している問題とは言え、試験委員が作成する問題とは違うので、その取り組み効果は費用や労力に見合うのだろうか?」などと思ったものです。けれども模擬試験では成績順位という形で、受験生の中における相対的な立ち位置を知ることができます。私は、模擬試験に限らず新作問題の活用方法を一言で言うと、本試を想定した80分間のタイムマネジメント(戦い方)を確認すること、だと考えています。
具体的には主に以下の5点を重視します。
(1)与件を読む、解答を考える、解答を書く、それぞれの時間配分は現場対応できたか
(2)メモやマーキングの仕方は適切であったか(自分の解答作法として確立できるか)
(3)必要な1次知識は活用できるレベルにあったか
(4)誤字、脱字、読みにくい字はなかったか
(5)受験番号は正確に記入、確認したか
上記のポイントは、本試を普段通りに淡々とこなすためのトレーニングに相当します。自分の解答作法を確立するためのものと言えますので、振り返りも大事で、やりっぱなしは勿体ないですね。また、本試ではサプライズと呼ばれる想定外の出題もあるかもしれませんが、そうした出題に動じない現場対応力を磨くことも初見の新作問題だからこそできるのです。
以上、過去問と新作問題、どちらがお好みか、両方か、いずれにしましても、自分の解答作法を確立するために大いに向き合うことになると思います。残暑厳しい日々が続きますが、2次試験は着実に近づいています。受験生の皆様の躍進をお祈りいたします。
それでは今週も皆様にとって素敵な1週間になりますように。