はじめて
ダイエット中の「イーサン」です。
今回は、財務会計に注目してみましょう。 主な内容は、資産をどのように把握するかということです。
皆さんもきっとご存知のように、ビジネスの現場では毎日お金を使っています。一般的には、お金を使うもののうち、設備やPC、椅子などの目に見える有形のものが資産で、光熱費や給料などの目に見えないものが費用だと考えられています。
しかし、それは本当に正しいのでしょうか?
資産とは?
例えば、あるケーキ屋さんが特別な注文を受け、そのために特別な形の金型をまとめて購入したとします。 ケーキを作った後、30個の特別な金型が残っています。この30個の残りの金型は、資産なのか費用なのかという疑問が出てきます。金型はお金で買ったものですので、当然ケーキ屋さんの資産だと言えるかもしれません。
しかし、稲盛和夫に言わせれば、そうではないようです。 京セラを経営していたときにも、同じような悩みを抱えていました。 京セラの製品は、初期の頃はお客様の要望に応じたオーダーメイドの製品でした。 しかし、稲盛和夫は余った金型を資産としてではなく、費用として京セラの帳簿から消してしまいました。
このような取扱いした理由については、単純な話この金型はお客さんのための特注品なので、他の人は使えません。 このお客様が将来来なければ、これらの金型は実質的に価値がなく、これらの金型はもはや京セラに将来の収益をもたらさないんです。 つまり、お金はかかっていますが、資産ではありません。
稲盛和夫の資産を見極める基準を聞いたことがありますか?基準はただひとつ、将来的に会社に収益をもたらすことができるかどうかです。 将来的にビジネスに利益をもたらすことができる経済的資源のみが資産です。
もしこれらの余剰金型が誤って資産として認識された場合、ケーキ屋さんにはどのような影響があるのか、という疑問もあるかもしれません。
まず、費用を資産と勘違いすることで、現在の利益が増えます。 ケーキ屋さんは、より多くの税金を払わなければなりません。 考えてみれば、余った金型はそれ自体に価値がないだけでなく、ケーキ屋さんはさらに税金を払わなければなりません。
銀行ローンの返済期限が迫っており、ケーキ屋さんは現金が不足しているため、在庫の一部を売却して債務を返済する必要があるとします。 財務担当者は、帳簿上に30個分の金型の資産があることを見て、これを売却して現金を手に入れ、負債を返済しようと考えています。ただ、結果としては、その30個の金型は誰も買ってくれず、ケーキ屋さんはローンを払えず、あっという間に潰れてしまいました。
このように、資産を正しく認識することがいかに重要であるかがわかります。
会計基準の制約により、財務諸表で特定される資産と、企業が実際に所有する資源との対応が不完全になる可能性があります。 会計基準の定義を超えて、資源の真の価値という観点から資産を見る必要があります。
このため、資産の定義にはまだ多くの誤解がありますが、以下で詳しく見ていきましょう。
これは資産?
研究開発費は資産なのか費用なのか?
インターネット時代の会計処理で最も議論を呼んでいるのがR&D投資ではないかと思います。
なぜなら、研究開発の失敗率は非常に高く、将来的にビジネスに収益をもたらすかどうかは非常に不透明だからです。
しかし、よく考えてみると、研究開発投資を費用として扱った場合、ビジネスにどのような影響があるのでしょうか。
先ほど言ったように、費用は利益を減らすので、研究開発に投資すればするほど、現在の利益は下がり、利益から赤字になることもあります。企業CEOは、研究開発費が利益に与える悪影響を確かに知っていますが、研究開発が企業のコア競争力でもあり、研究開発費が将来的に企業に莫大な経済的利益をもたらすことをよりよく理解しています。
つまり、研究開発費は費用ではなく、資産です。
このような企業実情を考慮して、日本の会計基準は長年にわたって多少の調整を行い、それほど保守的ではありません。現行の会計基準では、研究開発の初期段階である「研究」の段階でのインプットは費用となりますが、「開発」の段階では資産として計上することができます。 言い換えれば、資源が資産となるのは、その資源が投資され、将来的に比較的確実な利益を事業にもたらす場合です。(アクセンチュア社がよくまとめた資料がありますので、以下のように引用させて頂きます。)
費用から資産にするには?
研究開発の話の後は、人の話をしましょう。21世紀は人材が最も高価だと言われています。 人材は資産ですか、費用ですか?
私は日本企業で働いています。 私の給与は、会社の財務諸表にどのように計上されているかというと、 経理担当者は私に支払われた給与を費用の欄に入れていますが、これは私の給与が日々の会社運営で消費されていることを意味しています。
スポーツスターはどうですか? 彼らの給料も費用ですか?
スター選手の移籍金が非常に高額であることは周知の事実であり、例えば、私が非常に好きなメッシの移籍金は1億3千万ユーロです。クラブの財務諸表では、メッシのような多額の移籍金は費用ではなく、無形資産として計上されている。選手はクラブにとって最も重要な資源であるため、クラブにメッシがいることで将来的には莫大な商業的利益をもたらすことができると考えています。先に述べたように、将来の利益をもたらす投資は資産であり、彼の移籍金も資産扱いです。
つまり、組織に莫大な商業的利益をもたらすほどの価値がある人は、「費用」から「資産」になることができるということです。
資産は資源の一部に過ぎない
この他にも、ビジネスにとって非常に重要な資産がありますが、貸借対照表には記載されていません。あなたはどこかの大学の財務諸表を見たことがありますか?
例えば、東京大学の令和1年の財務諸表を見てみると、主な資産は土地建物、書籍、機械装置などです。
しかし、東京大学はそれらに頼って日本全国から最も優秀な学生を集めているんでしょうか?もちろんそんなことはなく、みんなは東大のブランドに目をむいています。「東京大学」という名門ブランドは資産に値しますが、その価値が定量化できないのが問題です。この4つの言葉がどれだけの収益を生むかは誰にも計算できません。
資源が定量化できない場合、会計基準ではその資源を計算書に表示することはできません。つまり、企業の最も価値ある資源は、必ずしも財務諸表には現れません。
同じくコカ・コーラ社のブランド価値は、同社の諸表にも反映されていません。しかし、投資家としては、コカ・コーラにそのような価値のあるオフバランスシートの資産があることを知らなければ、会社を著しく過小評価することになります。例えば、コカ・コーラにそっくりで、ブランディングのリソースを持たない会社があったとします。貸借対照表上では、両社は同じように見えますが、ブランドが将来的にコカ・コーラ社に高い収益と利益をもたらすため、コカ・コーラ社の価値は将来的に高くなるはずです。その別の会社に投資したとしたら、それは損失ではないでしょうか。
さいごに
資産の捉え方は大きく分けて2つあり、1点目は「将来の収益を生み出す経済的資源のみが資産である」というものです。2点目は、企業が持つ資源は、財務諸表に計上されている資産よりもはるかに多いということです。実は現在の制度会計が直面している課題の一つで、企業の無形資産をどのように定量化し、特徴づけるかということです。