こんにちは、くろいのです。
今回は直前期というタイミングに合わせ、2次試験特有の戦術めいた話をテーマとさせていただきます。具体的には、自身の2次試験直前期の振り返りから、あくまで個人的な体験談を背景に、振り返ってみると結果的に良い結果につながったんじゃないかと思える方針やアクションについてまとめさせていただければと思います。
過去記事と内容が被っている部分があるかもしれませんが、一旦再整理するスタンスとさせていただきたいです。なお、タグから過去記事についても参照いただけると嬉しい限りです。では、以下で紹介させていただければと思います。
・マーキングについて
与件整理に欠かせないマーキングですが、大雑把に分類すると、SWOT別か設問別で色分けするやり方があると思っています。
本来であればさっさと方針を決めて慣れていく方が良いのでしょうが、私の場合はやり方がなかなか定まらず、割と直前まで調整を繰り返していた記憶があります。
私の場合、色々試行錯誤し、最終的には「フリクション3色×SWOT別」の構成で本番を迎えました。
フリクションについては、当初は水性マーカーを使っていたのですが、色を間違ったりした時にやり直しにくい、出来るだけ持ち替えずにメモや記号を書きたいときに小回りが利かないことが気に入らず、結局フリクションを採用しました。また、色数については、当初は5色使っていましたが、持替え等の作業を出来るだけ少なくしようとした結果、3色での運用に落ち着きました。
役割としては、強みはプラスで「青」、弱みはマイナスで「赤」が直感にフィットしました。機会や脅威についてはマーキングに加えて「O」とか「T」と印を書くことにして持ち替えの回数を減らすように工夫しました。さらに3色目として、基本的に青と赤で分類しきれない内容について、時制の印を添えることにしました。例えば過去は「P」、現在は「N」、未来は「F」といった具合です。
このあたりのルールは、なるべく満遍なくMECEに、かつ設問に絡みやすくしようと試行錯誤した結果着地した感じです。私の場合はこのやり方でほとんど困ることが無くなりましたが、人それぞれで最良のやり方を探ってみるのが一番だと思います。
さらに、SWOT別を採用した要因としては、上記のように色数を極力抑えたかったのと、設問別の色分けがうまく習熟できなかったことがあります。個人的な感想としては、設問別はマーキング時に見落としや勘違いがあった際に軌道修正しにくく感じることが多かったです。SWOT別か設問別かについては、各々の解答手順によっても最適な方法が変わってくると思っているので、色々と試してみてうまくいきそうなものを採用するのが良いと思います。私の場合は徐々に網を絞って解答を作っていくイメージだったので、SWOT別が合っていたのかもしれません。
・解答手順について
1つの事例問題を解く手順は、一般的に「読む」「考える」「書く」に分けられると思います。
直前期の当時は自分なりの解き方の手順が固まりつつあったのですが、うっかりミスをやってしまう悩みがありました。制限時間が厳しい2次試験において、少しでも安定した品質を保つには、各工程で何を変えれば良いのかを考えていました。
色々と自己分析した結果、原因は各工程をきちんと定義して分割することができていないところにありそうだ、という結論に至りました。
具体的には、「読む」工程中に「書く」ことを考えてしまったり、逆に「書く」工程のはずなのに「読む」「考える」をしてしまっており、そのことが意識散漫な状態を誘発してミスの要因となっているケースが多いかもしれない、と考えるに至った訳です。そこで、各工程をより単純で短い作業に落とし込めるように意識することにしました。
具体的な改善点として、「読む」工程については、与件文を読み始める前に設問文をしっかり解釈して考える時間を増やし、情報を取りに行くという目的意識を持って与件文を読むように心掛けました。
また、マーキングにおいて、それまで漫然と大事そうな箇所にマーキングする方針でいたために、実際に解答を作る際に使う要素を探し出すのに時間がかかってしまうという課題を認識していました。この対策として考え方を改め、むしろ逆に、限界までマーキングする箇所を捨てる意識に変えてみました。言い換えれば、これ以上捨てると意味が取れなくなるぎりぎりまでマーキングする箇所を減らそうと意識しました。
結果として、扱う情報量が減って「考える」工程で要素が参照しやすくなっただけでなく、マーキングの質そのものの向上が実感できたので、やってみて良かったと感じています。このように、現状課題に感じていることに対しては、だめはもともとの精神で逆に振り切ってみると、案外見えなかった課題が明確になったり、思わぬ効能を得られるかもしれません。
例えば、時間が足りないことを課題に感じているのであれば、逆に60分で時間設定して多少無理矢理にでも解いてみるとかすると、思わぬ収穫が見つかるかもしれません。特に、課題を抱えつつも伸び悩んでいるような方などは試してみると良いかもしれません。
さらに、「書く」工程についても見直しを行いました。それまでは「書く」工程について40分程度かかると認識していましたが、よく反省してみると、それは考えながら書いている時間も含めていることに気づきました。
つまり、多くても600字程度のマス目を埋めることに対し、「書き写す」だけなら多く見積もっても30分はかからないはずですが、実際には考える時間も含まれてしまっていたわけです。考えながら書くものだから、書いては消す作業が一向に減らない上に、凡ミスの温床になっていたという訳です。
そこで、「品質は設計で作り込む」をヒントに定義を見直しました。具体的には、「書く」に移行する段階で書く内容をより詳細に作りこみ、ほぼ写経するのみの状態まで段取りを決めてしまうように意識しました。結果として、「考える」の時間が増えて「書く」の時間が減り、トータル時間ではあまり変わりませんが、ほぼ写経するだけとなった「書く」工程を落ち着いて正確に遂行することができるようになったと感じています。
今回ご紹介させていただくのはここまでとさせていただきたいと思います。巷には様々なノウハウが提案されていると思いますが、突き詰めていくと、重要となるのは様々な選択肢の中から主体的に考えて試行錯誤し、選択していく姿勢なのだろうと思います。本記事もそうした選択肢の一つとして、誰かにとってのヒントになれば幸いです。以上、ここまでご覧いただきありがとうございました。