はじめて
帰国によって実家市内のホテルで3週間ほど集中隔離している最中の「イーサン」です。
こんにちは。私の実家は中国の大都市、深圳です。中国の不動産価格が今までずっと右上がり成長になってきたことは皆さんが耳にしたことがあるかと存じます。深圳は今年初め、住宅価格の上昇を抑制するため、中古物件の売買にガイドプライスを導入しました。簡単に言うと、基本的には価格規制の政策です(基本的には政策前の価格の60%程度、このガイドプライスは銀行がお金を貸す際に融資可能額の上限に相当します)。今日は、価格規制の状況が発生したときに、人々が取らなければならないさまざまな対応に裏に組み込まれている基本的な仕組みについてお話ししたいです。
価格規制
私たちが希少性の資源を奪い合うとき、さまざまな競争方法によって行われますが、それぞれが他よりも公平であるわけではありません、またはすべての方法は資源を消費するものです。ただし、競争の形態には、特に公平でもありませんが、効率性の観点から最も無駄なロスを少なくする価格競争の仕方があり、価格の利用による配分はメリットがあります。そして、価格が人為的に高すぎたり低すぎたりと干渉されるたびに、価格以外の競争が起こり、先月お話した「不足」あるいは「余剰」に繋がります。ここで、不足が生じたとき、つまり価格以外の競争手段で競争しなければならないとき、人々は実際にどのような競争をするのでしょうか?
まず、価格規制と課税は別物です。不動産賃貸の例とすると、市場価格が10,000円の賃貸マンションで、その10,000円のうち4,000円の税金を徴収すると政府が言いました。 もし政府が4,000円の税金を徴収すれば、政府は第2の大家さんとなり、家賃の60%が持ち主に、40%が政府に行くことになり、これを課税といいます。一方、価格規制は課税ではありません。政府はあなたのお金が欲しいわけではありません。 政府は、「このマンションの相場は10,000円ですけど、高すぎると思いますから、家賃は6,000円以上にはならないように制限をかけましょう」と言っているだけです。 持ち主は4,000円の減収となり、政府もこの4,000円をもらっていない結果です。
価格規制は必然的に価値の散逸を招く
価格規制は、必然的に資源の価値を散逸させることになります。価格規制がある限り、持ち主は4,000円を手にすることができなく、マンションを最高価値の用途に使うことができません。その時点で、マンションの価値は散逸してしまいます。つまり、有効活用されないと価値が上がらない資源となります。
10,000円の価値があるのに、6,000円で貸し出していたら、結局6,000円でしか使わない人の手に渡ってしまいます。この家の価値は、結局6,000円しかありません。そして、その実現すべき4,000円の価値が無駄に費やされてしまいました。
人間は損失を最小化する生き物
人間は利益を最大化する生き物です。この言葉は逆に、人間は損失を最小化する生き物であるとも言えます。 価格規制が行われると、資源価値の散逸が起こります。 市場価値10,000円のマンションに対して、政府が6,000円の上限価格を設定すれば、4,000円が無駄に散逸することになります。ただし、人々には対応策もあり、その4,000円を無駄にしたくないという思いがあります。つまり、価格規制が行われるたびに、人々は資源の価値が散逸しそうになると見るたびに、最も適切な競争形態を選択し、この競い方は、損失を最小化することになります。
人々は価格規制にどのように対処しているのか?
10,000円の市場価格のマンションに6,000円しか請求できないと政府が言われたとき、その時点で持ち主はどのような行動をとるか予測できますか?
まず、マンションの値段が下がると、その下がった分を利用して、自分の好みに従って入居者を選ぶんでしょう。 かつては、価格規制がなかったため、持ち主は利益重視で、十分な金額を提示した人に貸しました。価格規制の対象となった時点、持ち主はどうせ4,000円ももらえないし、玄関には入居者の長い行列ができているので、自分の好みに甘えて、子供連れはお断り、犬連れはお断り、喫煙者はお断りという差別をすることができます。これが最初の反応です。
勿論、家賃は10,000円から6,000円に下がり、好みに従うだけに4,000円も使うのはちょっともったいないので、他に損切りする方法はないでしょうか。また、「バンドル販売」というやり方もあります。あなたは借主にこういうでしょう。「政府の規制のため、この家では6,000円しか請求しないが、一応聞いておくが、鍵は要るかね?鍵は4,000円の価値がある。」 あるいは、「我が家のこの家具は好きかな。この古い椅子を見たことがありますか?家宝です。気に入ったなら売るよ」、この椅子はいくらでしょうか?4,000円かな?
ここでも、実際には借主がそれに応じて支払わなければなりません。持ち主を喜ばせるため、これは一つのコストで、エージェントを喜ばせるため、別のコストもあります。10,000円の価値があった家が、6,000円で済むようにエージェントに探してもらうのは大変なことです。エージェントが一生懸命に家探しをしてくれましたので、仲介料としてもう4,000円払おうということです。結局、賃貸に支払う全額は、実はその10,000円に近い金額となります。
これらの行為は明らかに違法で、明らかに政府の規制に反しています、良いですか悪いですか?私はよいかと思います。なぜなら、より高い利用価値を持つ人に、可能な限り財産を還元することを可能にするからです。 ただ、競争はもっと回りくどいもので、直接支払うようなわかりやすいものではありません。
価格規制を回避するもう一つの方法は、持ち主が物件の用途を変更することです。通常、規制は住宅のみ適用され、商業施設は政策の影響を受けません。本来なら、住宅用で10,000円、商業用で8,000円しか受け取れません。しかし、価格規制により、持ち主は住宅用として6,000円しか受け取れないので、商業用に転換することになります。6,000より8,000の方が受けが良いです。大家さんの中には、古い家を壊して新しい家を建ててくれる人もいます。新しく建て替えるときは、もう住宅は建てずに、倉庫や事務所を建てるんです。長期的な効果として、住宅供給が少なくなり、住宅はより高価になります。
さいごに
今日は、価格規制の結果や対応について、以下の2点について説明しました。
- 価格規制はどうしても資源の散逸を招く。
- 人々は損失を最小化する生き物であり、差額分の回収を最大化し、損失を最小化するような競争形態を選択することになる。
では、まだ来月宜しくお願い致します。