本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R05年度事例2 65点) すみだ
こんにちは、すみだです。
前回に引き続きわたしの再現答案についてご紹介させて頂きます。今回は事例2(65点)です。
R5事例2の特徴
R5の合格者は「サブスク世代」と言われることがあるように、本問で印象に残るのはやはり「プライシングの新しい流れ=サブスクリプション」が問われたことです。事例1、事例2と引き続いてやや変化球のような事例が来たことで、ひどく動揺させられた記憶があります。事例全体を見てみると、サブスクの設問以外はオーソドックスな印象でした。
各問題の振り返り
第1問(配点30点)
B 社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から 150 字以内で述べよ。
【解答】
顧客は①各少年野球チームを通じて野球用品を購入する保護者②個別に買い物に来る顧客③備品類を購入する各チーム。競合は、大型駐車場を備え低価格販売を行うチェーンの大型スポーツ用品量販店。自社の強みは①野球用品の品揃え②一人一人に合わせた提案力③加工技術で、弱みは①価格競争力②オンライン上での訴求力。
3C分析は定期的に第1問で問われることの多い形式です。「顧客は~。競合は~。自社は~。」の形式で解答するのが王道のパターンなのかなと個人的には思っています。さて、この第1問については見方が大きく分かれるところがありました。それは「顧客」の部分です。今回の事例企業は1990年以降、子どもたちのスポーツ活動の多様化に伴い、バスケットボールやバレーボールなどの球技用品など取扱商品を拡大していきました。しかし各球技用品の専門店が現れたことや大型スポーツ用品量販店が台頭したことで、B社は野球用品に注力をすることで生き残りを図りました。この流れって、選択と集中であり、事例1でもよく問われるドメインシフトなのではないかな、とわたしは感じました。だとすると、ここで答えるべきはドメインシフト後の顧客であり、すなわち野球用品を買う人なのでは?と考えます。もちろん顧客の中に他の球技用品を買う人と述べている合格者の方もいらっしゃるので、ひとつの見解として受け止めて頂ければと思います。また、自社の部分では強み・弱みの両面から解答することをわたしは心がけていました。
第2問(配点20点)
低学年から野球を始めた子どもは、成長やより良い用品への願望によって、ユニフォーム、バット、グラブ、スパイクといった野球用品を何度か買い替えることになるため、金銭的負担を減らしたいという保護者のニーズが存在する。
B 社は、こうしたニーズにどのような販売方法で対応すべきか、プライシングの新しい流れを考慮して、100 字以内で助言せよ(ただし、割賦販売による取得は除く)。
【解答】
助言は①サブスクリプション販売を導入し、子どもの成長や技術、特性に合わせて野球用品を提供②中古販売を導入し、安価で野球用品を販売し、保護者の金銭的負担を減らしたいニーズに応え、野球をやめる子を減らす。
最初に設問を読んだとき、「サブスクリプション」もしくは「ダイナミックプライシング」かなと思いました。ただ「まさかな~」と思ったのと、「与件文を読んでいけばわかるはず!」と思い、一旦はなにも考えないことにしました。(笑)ただ与件文を読んでいってもヒントが見つからず、「サブスクリプション」一本で解答する勇気もなく、「中古販売」を書くことでリスクの分散を図りました…。
第2問は助言を求められる問題でした。助言の問題は「提案(施策)⇒効果」で解答するのが基本かなと思います。本問は、「また、成長に伴う買い替えや、より良い用品への買い替えも保護者には金銭的な負担となっていて、他の習い事もあり、買い替えの負担を理由に野球をやめてしまう子どもたちもいるということで B 社は相談を受けていた。」という部分へのアプローチが求められていると思いましたので、金銭的負担を減らす⇒野球をやめてしまう子どもを減らすという流れでまとめています。
第3問(配点20点)
女子の軟式野球チームはメンバーの獲得に苦しんでいる。B 社はメンバーの増員のために協力することになった。そのために B 社が取るべきプロモーションやイベントについて、100 字以内で助言せよ。
【解答】
助言は①SNSや動画サイトを活用し、女子チームの活動内容について配信②近隣の社会人野球チームと連携した野球教室③自分の好みに応じたユニフォームの加工体験で野球への興味を喚起し、女子メンバー獲得に貢献する。
この問題もまた少し不思議な問題ですね。(笑)「みんなの再現答案」の合格者の記述を見ていると、結構ばらけている印象もあります。しかしよく見てみますと共通点があり、それは「地域の資源を活かすこと」「B社の強みを生かすこと」の2点が踏まえられてることです。地域の資源の点では、「社会人野球チーム」「女子野球チーム」「河川敷」であり、B社の強みといった点では「加工技術」「提案力」「公立中学校との関係性」が挙げられます。
第4問(配点30点)
B 社社長は、長期的な売上げを高めるために、ホームページ、SNS、スマートフォンアプリの開発などによるオンライン・コミュニケーションを活用し、関係性の強化を図ろうと考えている。誰にどのような対応をとるべきか、150 字以内で助言せよ。
【解答】
①各チームの監督に向けてチームデータ管理の為のアプリを開発し、コミュニケーションを強化する。アプリを介し、メンバーや保護者の情報や顧客ニーズを収集し、品揃えを見直し提案力を高める。また備品の在庫を把握し、タイムリーな提案を行う。②保護者やメンバーに対しSNSで新商品等情報発信する。以上で関係性強化する。
150字と比較的長めの解答を求められています。オンライン・コミュニケーションのチャネルがいくつか挙げられていますし、「誰にどのような対応を取るべきか」とありますので、複数案入れ込んでしまっても問題ないのかなと思います。それぞれの媒体がどのような特性があるのかを押さえておくとよいのかなと思います。ホームページは不特定多数への発信であり、SNSは双方向コミュニケーション、アプリはクローズドで何かの機能に特化している、など自分なりに整理してみてもよいかもしれません。
さいごに
野球というテーマがトリッキーなため変化球な印象を受ける本事例ですが、3C分析や媒体を活用した顧客との関係性強化は頻出のテーマかと思います。ぜひ今回の内容を参考にしていただけると幸いです。