【おたけ】第4回:おたけの再現答案リアル解説(R05事例1 60点) 

今回から4回に渡り、私の2次試験の再現答案を解説していきます。


全体として、事例Ⅰは最初の科目ということもあり、本番当日は浮足立った気持ちで受験となりました。そのため、設問をきちんと読みきれず、抽象的な答案となったことを反省しています。

目次

R05事例1の解説

本日解説するわたしの再現答案はこちらです(R05年度事例1 60点) おたけ

第1問(配点20点)
統合前のA社における①強みと②弱みについて、それぞれ30字以内で述べよ。

答案

  • 強み:自主的に問題点を解決する組織風土や高品質な商品とサービス。
  • 弱み:原材料の仕入れが不安定で価格高騰し、常連客が高齢化している点。

(解説)
SWOT分析は最後に書くことを勧められることがあり、私も当日は最後に答案を書きました。
理由としては、SWOTで書いた強み→他での設問で活かす、弱み→他の設問で克服する、というように、
最後に書くことで他の設問と関連付けができ、一貫性のある答案を作成できるためです。

具体的には、強みで言えば、
・自主的に問題点を解決する組織風土→第4問(設問1)の組織統合に活かす
・高品質な商品とサービス→第4問(設問2)の事業展開に活かす

弱みで言えば、
・原材料の仕入れが不安定で価格高騰→第4問(設問2)X社の仕入れ先を使うことで克服する
・常連客が高齢化→第4問(設問2)X社の駅前の立地を活かして新規顧客を開拓して克服する
です。このように、第1問と他の設問との関連性を見抜くために、最後に書くことがおすすめです。

また、他に注意すべきこととして、設問に「統合前」とあるので、時制を制限して書く(統合後のことは書かない)ことも必要です。

第2問(配点20点)
A社の現経営者は、先代経営者と比べてどのような戦略上の差別化を行ってきたか、かつその狙いは何か。100字以内で述べよ。

答案
A社は、①総花的なメニューを見直し資源を蕎麦に集中し、②客層を地元のファミリー層に絞り客層に合ったサービスを提供することで差別化を図り、③高付加価値な商品により利益向上を図った。

(解説)
ポイントは設問の「先代経営者と比べて」、「戦略上の差別化」、「その狙い」の3点を本文から正しく持ってくることです。

「先代経営者と比べて」「戦略上の差別化」については、
先代経営者:ターゲット顧客→幅広い地域住民、商品→総花的なメニュー
現経営者:ターゲット顧客→地元のファミリー層、商品→高品質な蕎麦
という形で先代経営者と比較すると、ターゲット顧客を絞り、その顧客に合った商品やサービスを提供する集中戦略を行っていることがわかります。
このように対比で捉えると整理しやすい問い方になっています。

狙いについては、本文に「売上高拡大のためのさまざまな施策」とあるので売上高拡大と書くべきだったと思いますが、丁寧に本文を読み込めず、利益向上と書いてしまったことは反省点です。

第3問(配点20点)
A社経営者は、経営統合に先立って、X社のどのような点に留意するべきか。100字以内で助言せよ。

答案
留意点は、①A社とX社が統合することで相乗効果や相補効果があるか、②組織文化や風土が大きく異なるが統合可能か、③買収でX社社員のモラールが低下し離職することによるノウハウの流出を防止できるか、という点。

(解説)
正直、この設問にはあまり良く答案を作成できませんでした。というのも、「X社のどのような点」と設問に書いてありますが、正しく理解せずに「経営統合に関して留意すべき点」を書いてしまったためです。本当はX社のSWOT分析をしたうえで、W(弱み)を書くべきでした。
試験中は時間がないため焦ってしまいがちですが、設問を正しく理解しないまま答案を作成してしまうとミスリードした答案になってしまいます。特に事例Ⅰは最初の科目ということもあり、もう少し慎重に行くべきでした。

第4問(配点40点)
A社とX社の経営統合過程のマネジメントについて、以下の設問に答えよ。
(設問1 )どのように組織の統合を進めていくべきか。80字以内で助言せよ。

答案
A社は、①雇用継続を明言することで離職を防止し、②情報共有や人事交流により互いの強みを共有し、③全体で団結できる組織を目指すべき。

(解説)
この設問では、知識に頼った答案になってしまいました。もう少し本文に書かれているX社の弱みを把握し、意識した答案にすべきでした。

(設問2 )今後、どのような事業を展開していくべきか。競争戦略や成長戦略の観点から100字以内で助言せよ。

答案
A社は、①増加する食べ歩きの観光客や若者の需要を取り込み、②強みであるA社の高品質な蕎麦とX社の良質な原材料を生かし、③顧客層にあった商品開発の事業を展開し、差別化と成長を図る。

(解説)
事例Ⅰの中では比較的まともに書けたという手応えでした。
A社(高品質な製品)とX社(仕入先、立地)の強みを活かしX社と統合することでA社の弱み(原材料の仕入が不安定、常連客の高齢化)を克服する、というストーリーで書ければある程度点数を取れたのではと分析しています。

また、戦略については、
競争戦略:高品質な商品による差別化
成長戦略:新規顧客(食べ歩きの観光客や若者)獲得

という点を押さえられればオッケーかと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。事例Ⅰは最初の試験科目なので緊張で上手く行かないことが多いと思います。私は何とか60点取れましたが、後で見返すと設問をしっかりと理解できていないことが多く、反省点となりました。設問を理解しないと答案の方針が後でブレ、二度手間になりますので、まずは設問分析をしっかりと行うことが大切だと思います。

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