【がり】第5回目:2次試験の科目を古代中国の戦場に当てはめてみる

目次

はじめに

こんにちは、がりです。いよいよ今週末は1次試験ですね!暑い中、会場に行くのも脳をフル回転させて試験を受けるのも本当に大変かと思います。体調管理をはじめ会場に着くまでの0次試験も結構大事なので、試験会場への行き方、試験会場での過ごし方、お昼に何を食べるかなど、当日のシミュレーションは十分に行っていただき、試験の準備を進めていってください!

前回の記事は1次試験の中小企業経営・中小企業政策の内容でしたが、もうこの直前に1次試験の記事を書いても今まで勉強を頑張られてきた受験生の皆様にはもう焼け石に水かと思いますので、今回は1次試験突破後に待ち構えている(ほぼ)ラスボス、2次試験の導入についての記事を書こうと思います。

2次試験の科目は以下の4つとなります。事例Ⅰ~事例Ⅲの出題内容や解答はパッと見似ているように見えますが、明確に解答の方向性や解答する内容は異なります

  • 事例Ⅰ:組織・人事
  • 事例Ⅱ:マーケティング・流通
  • 事例Ⅲ:生産・技術
  • 事例Ⅳ:財務・会計

2次試験を勉強して間もない方はこの科目の違いというのが明確に理解として落ちていない方もいるかと思います。実際に同期の方が勉強していて途中まで事例Ⅰ~事例Ⅲの違いが分からなかったという方もいました。

突然ですが、自分、三国志が好きで、最近映画で話題になっている「キングダム」も当然好きなのですが、中小企業診断士の試験科目を古代中国の戦場に例えるとそれぞれどのような役割に当たるか考えたことがあり、その具体的な事例や内容を踏まえると、2次試験の構造も分かりやすくなるかなと思い、今回その内容を記事にしたいと思います。2次試験を初めて勉強する方に事例Ⅰ~事例Ⅳの具体的なイメージを理解していただけると幸いです。(異論は認めます)

事例Ⅰ:組織・人事

事例Ⅰは、戦場で言うと、全体的な戦略策定、または、陣形の配置、味方の士気の鼓舞に当たるでしょうか?

どのような陣形を組み相手軍と対峙するか、中央軍の陣形を厚くするか、または左翼、右翼を厚くして両側から攻めるか等、全体の力のバランスを考慮してどのような戦略で戦争を進めていくかの大まかなシナリオを描き、戦場に散らばった自軍がそれぞれ連携して有機的に動くように、戦争全体の大まかな攻略イメージなども自軍を束ねる将軍に伝える必要があると思います。

後はやはり自軍の士気の鼓舞も大事ですね!将軍の力量、またはカリスマ性で軍の士気もかなり上がると思いますので(戦場に出たことはありませんが)、配下の将軍、さらに兵士一人ひとりにまで どのように自軍の士気を上げるかはその総大将の力量、またはリーダーシップにかかっていると思います。

また戦争をする「大義」がないと士気も上がらないと思います。大義は「何のために戦争をするのか」の理由ですね。会社で言うと、「経営理念」とか「ミッション、ビジョン、バリュー」等でしょうか?三国志で言うと、「赤壁の戦い」では、周瑜が攻め込んでくる魏に対して徹底抗戦を掲げることで、呉軍を一つにし、見事に魏軍を打ち破りました。また、「夷陵の戦い」では、劉備が関羽の死に際して半ば私情で呉軍攻めの軍を起こしたことから、軍が一つにまとまらず、蜀軍が負ける結果になったのだと思います。

なので大義ありきで、その上で、地の利を生かした陣形構築、戦場の大まかな戦略立案とその遂行、兵士の士気向上。事例Ⅰはまさに戦場でいう総大将が担当する領域、戦場の花形になると思います。今の「キングダム」でいうと、王騎将軍が担当するポジションですね!

事例Ⅱ:マーケティング・流通

事例Ⅱは、戦場で言うと「攻め」に当たると思います。

攻めるにも色々な要素があると思います。どのような戦術を使うか?「騎馬」か?「歩兵」か?「弓兵」を使うか?

また偵察と情報収集もとても大事です。相対する武将はどんな人物で、どんな戦術を強みとしているのか?弱点は何か?戦力はどれくらいか?

また相対する軍への宣伝(嘘の情報を流したり、わざと撤退して深く誘い込む)や心理戦も重要になってくると思います。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」などはとても有名な格言ですが、「相手」を知らずに攻めることはとても危険です。まず「相手」を知る、そして自分の軍の状況を理解し、どのように攻め攻略するかを考えることが事例Ⅱの「マーケティング」に当たるものだと思います。

三国志で言うと、諸葛孔明は心理戦のプロ中のプロだったのでしょう。「赤壁の戦い」では単独で呉に赴き、呉軍を徹底抗戦に扇動したり、また司馬懿との戦いでは「空城の計」で時間稼ぎをして蜀軍の撤退をサポートする等、自ら戦う武将ではありませんが、戦場で余りある功績を残しています。また相手に応じて臨機応変に攻め方を変えるのも有効な手段です。「キングダム」では「桓騎」が徹底的に相手の嫌がることを行っていますね。「麃公」は本能型ながら戦場に「火」を起こして自軍の攻め方を決めるなどの戦術を取ったりしますが、これも立派なマーケティングに当たると思います。

ということで、事例Ⅱは必ず相手ありきです。これは自軍の「強み」のゴリ押しでは必ずうまくいきません。相手を知り、理解した上で、どのような攻め方があるのか?強みを使うのか?弱点を攻めるのか?正攻法を使うのか?搦手を使うのか?など、様々な選択肢がある中から、効果的な方法や組み合わせを考えて攻めていきましょう!

事例Ⅲ:生産・技術

事例Ⅲは、戦場で言うと、「練兵」「後方支援」に当たると思います。

兵士を訓練し、情報網の整備や補給線の維持、いかに効率的に自軍を運用するかが鍵となります。

兵士の訓練で言うと、作戦行動の時間短縮化、また「騎兵」「歩兵」「弓兵」等を兼務させることでの運用効率化(事例Ⅲで言うと「多能工化」)、また「のろし」を使い、自軍の情報伝達・共有を素早く行うことにより戦略の幅を広げることで自軍の強化につなげることができると思います。

三国志ではいい例がなかったので日本で言うと、羽柴秀吉の短期間での築城や情報網の構築、織田信長の鉄砲隊の三段撃ちなどは、時間短縮や効率化の良い例であり、織田信長の天下統一の大きなファクターになったと思います。

また古代中国の戦争では、補給線の運用がとても重要です。補給線というのは、戦争に必要な物資(ここでは主に兵糧とします)の輸送路のことで、これは、裏方の役割なので大きくは扱われていないのですが、この補給線を維持する部隊として「輜重隊(しちょうたい)」という部隊があったりします。

兵糧がないと、前線の兵士は活動をすることができません。いかに前線の兵士に兵糧を届けるかが戦争では重要な要素になってきます。三国志では、「官渡の戦い」では敵の兵糧庫を焼いて相手の戦争継続力を断ち、それまで劣勢だった曹操軍が袁紹軍に勝ち中華の覇権を握ったり、「夷陵の戦い」では、呉の陸遜が前線が進みすぎて間延びした蜀軍の補給線を分断し蜀軍を退却させた、という話が描かれたりしています。

そんな輜重隊の役割は今のビジネスで言うと「在庫管理」に該当すると思います。

そんな自軍の「不」ひいては戦場の「不」を解決して、効率的な部隊運用を行い、自軍の運用の可能性を広げる。そういった活動を行っていくのが事例Ⅲになると思います。

事例Ⅳ:組織・人事

最後の事例Ⅳですが、これは戦場で言うと、「戦果」と「戦争継続力」の把握だと思います。

「戦果」は日ごとの戦闘の結果ですね。誰がどの部隊と戦って勝ったのか?負けたのか?どこまで押し込んだのか?後退したのか?戦える兵士の人数はどれくらいか?など、上がってきた自軍の状況を整理して以降の戦争の判断をします。これはビジネスで言うと、「PL」ですね。

「戦争継続力」とは、兵糧がどこまで残っているか?部隊や人、物資がどれだけ残っているかなど、自軍が戦争を継続できるかの指標になります。ビジネスで言うと「BS」に当たります。ここで戦争が継続できないという判断になると「敗北」になりますが、ビジネスで言うと「倒産」になってしまいますね。

実際の戦争ではに日ごとに正確な情報が上がってきていたのか、自軍の戦争継続力をしっかり把握できていたのかは不明ですが、こういった情報をしっかりと管理できて、適切な判断を下せる武将がいたら最高ですね。是非ともそんな武将の下で働きたいものです。

想像ではありますが、名軍師と言われた諸葛孔明や司馬懿仲達などはそういった情報にはとても敏感だったのではないでしょうか?

最後に

そんなんで、事例Ⅰ~事例Ⅳと古代中国の戦場の対応ですが、イメージは付きましたでしょうか?少なからず2次試験の内容を身近?に感じていただけますと幸いです。

古代中国の武将たちの知略と戦術は、現代の企業経営にも通じるところがあります。中小企業診断士の各科目を通じて、企業が直面する課題に対する理解を深め、自分が武将になったつもりで、適切な判断をして自軍を指揮し、勝利に導いていきましょう!

ここまで読んでいただきありがとうございました。今回の投稿は以上とさせていただきます。

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