おはようございます。AASの市川です。
梅雨に入りましたが、昨日・今日は、蒸し暑くもなくちょうどよいですね。調子はいかがでしょうか?くれぐれも体調には気をつけてください。
今日は前回の続きで、最適資本構成の分野から、一次の頻出論点の「MM理論」を見ていきましょう。
診断士一次試験ではMM理論が毎年のように出題されています。過去問を見ていますと、この分野でも出題者が問いたい論点がよく見えてきます。
ではさっそく、結論を確認しておきましょう。テキストが近くにある方は開いて確認しましょう。
MM理論の結論①完全資本市場(情報に偏在がなく、法人税も存在しない)の場合は、どのような資本調達をしても企業価値は変わらない。
②負債比率が高まると、財務リスクが高まる。そのため、負債比率が高まれば自己資本コストが高まる。 ③相対的に資本コストの低い負債の導入は加重平均資本コストを下げる効果はあるが、上記②により、自己資本コストが上昇するため、加重平均資本コストを上げる効果がある。両者は相殺され、加重平均資本コストは一定。⇒最適な資本構成はない。 |
前回は、過去問からMM理論の出題例を見ていきました。
しかし、MM理論は現実の世の中には法人税は存在し、倒産リスクもあることから、修正されました。
MM理論の修正 ①法人税のみ存在する場合は、負債の節税効果があるため負債を利用した方がよい (節税効果の現在価値の分) 。 ②倒産可能性を考慮すると負債が増えると倒産リスクも増える。ほどほどが良い。 |
では、今回も過去問を見ていきましょう。
20年一次試験 第18問
MM理論を説明している記述として、最も適切なものの組み合わせを解答群から選べ。なお、文中の企業価値は負債の価値と自己資本の価値の合計額を意味する。
a 法人税がないと仮定したとき、企業価値は資本構成と無関係である。 ア aとc イ aとd ウ bとC 工 bとd |
いかがでしょう。答えは次のページになります。
また、過去問では、上記 結論①の計算式が繰り返し出題されています。
節税効果の現在価値=負債額×負債利子率×実効税率÷負債利子率
計算は、次回見ていきましょう。ではまた!