おはようございます。
AAS東京の卒業生、北陸テツ子です。
今日から3回目の実務補習です。
前回に引きつづき、画像もない記事にて
失礼させていただきます。
「実務補習でAAS生は褒められますよ」
と、受講生時代によく聞かされました。
AASではフレームワークを頭に叩き込んで
解答を作成する方法を学ぶのですが、
そのフレームワークは実際の経営診断にも
活用できるので、実戦で役に立つのです。
(実務補習のテキストにも同じモノが載って
いて、あぁコレね、と思ったりします)
しかし、AASで学んでフレームワークを
よく知っているはずなのに、
実務補習で褒められない人もいます。
わたくしです。
8月の実務補習では、
製造業の会社を診断しました。
私は僭越ながら、班長に立候補しました。
実務補習は、わざわざお金を払って
仕事を休んでまで受講するものですから
今まで経験したことのない分野に
挑戦すべき!と思った次第です。
この決断を後悔する日々がつづきましたが
今にして思えば、貴重な経験でした。
班長は、経営戦略を策定します。
そのためには、まずSWOT分析をします。
2次試験と同じ流れです。
社長のヒアリングや事前調査に基づいて
強み・弱み・機会・脅威を
ホワイトボードに書き出します。
自社・市場・競合の3C。
有形資源と無形資源。
ミクロとマクロ。
ヒト・モノ・カネ・情報。
客数×客単価。
新規顧客×既存顧客。
買上点数×製品単価。
製造業なのでQ・C・Dと
生産計画×生産統制も忘れずに。
AASで習ったフレームワークを駆使して
我ながら網羅的に書けたかな…
と思っていると、先生がひとこと。
「弱みと脅威ばっかりだね」
… えっ? …
「なんでそんなに悲観的なの?
いいところをちゃんと見て、
それを伸ばしてあげようよ」
… … …。
言葉もありませんでした。
2次試験でさんざん「S×O」を
頭に叩き込んだのに、
その視点が出せなかったなんて。
経営資源が限られている中小企業は、
自社の強み(S)と事業機会(O)を
活かしていく必要がある、って
あれほど繰り返し学んできたのに。
… … …。
「製造コストが高いのは、弱みなの?
コストが高い理由をちゃんと考えた?
設備投資と、ベテランの人件費でしょ?
専門技術で上質なものを作る事業にとって、
高額な設備や熟練工の人件費っていうのは
ものすごい参入障壁になるわけよ。そんな
新規参入が難しい業界の中で、先方は
長年この事業をやってきているんだから、
ものすごく有利だと思わない?」
… ポロッ …
目から鱗が落ちた音です。
かろうじて涙はこぼさずに堪えました。
… あぁ、診断士って
こんなふうに考えるんだ ……。
私は、従業員の多い会社で働いています。
企画提案をする仕事をしており、
得意先も、従業員の多い会社ばかりです。
お互い危機感がうすい立場の中で
企画提案をしなければならないので、
「貴社にはコレが欠けています!」といった
危機感をあおるストーリーになりがちです。
自分ではポジティブな人間のつもりでしたが
実はかなりネガティブ発想が染みついている
ことに気づかされました。
指導員の先生に叱咤激励され、
1週間かけて書き上げた報告書の素案も
全ボツになり、2日徹夜で書き直しましたが
とても良い勉強になりました。
「貴社の強みは、ココなんです。
これからさらに成長していくために、
こんなことを改善していきましょう!」
と、前向きに提案できる
診断士を目指したいと思います。