こんにちは。AAS東京の三木です。
1次試験合格の皆さん、おめでとうございます。合格者数5,005人、合格率42.5%と素晴らしい成績ですね。人数の増加が2次試験に与える影響が気になるところですが、すでに申し込みもはじまっており、筆記試験まで2ヵ月を切っていますので学習のペースを上げていきましょう。
並みいるライバルに打ち勝って合格するためには、模擬試験の受講によりご自身の能力や現在の立ち位置を客観的に知ることが有効になります。AAS東京の公開模試では、点数やランキングはもちろん、独自の採点システムを用いて「解答プロセス」と「戦略レベル」の視点から、あなたが相対的に弱い項目を分析した資料をフィードバックすることが特徴です。これらの分析資料により克服すべき課題を明確にして、効果的な学習に取り組んでください。
私が2次試験学習の最強のテキストだと思う「中小企業診断士 実務補習テキスト」のエッセンスを、過去問と連動させながら学ぶシリーズの第2弾・事例Ⅱ編です。2次合格をめざす受験生の皆さんが事例問題を理解する一助になれば幸甚です。
前回は事例Ⅰについてお伝えしました。
事例Ⅱでは、設問文ではなく与件文中に「中小企業診断士に相談する」というフレーズがでてきます。特に平成24年度以降は、まるで所定の様式のように文末に明記されるようになりました。
中小企業診断士になるための試験ですから、診断士になりきって相談に乗るのはあたりまえのように思いますが、何か特別な意味があるのでしょうか?
過去問で確認してみましょう。
B社社長とYさんは大幅に減少する顧客数を補うための施策について試案したが、良い案も出ず、今後の方針について中小企業診断士に相談することとした。
こうした様子を目にした8代目は、経営刷新して営業を継続したいと考えるようになり、中小企業診断士にその方向性を相談した。
・・次期社長は事業継続のためには、地域の繁栄が必要だと考えている。次期社長は、取り組むべき施策について、中小企業診断士に助言を求めることとした。
B社は・・原状のままでは著しい成長は期待できない。・・生き残りと成長を求めて、危機感をもった11代目予定者は中小企業診断士に相談することにした。
これらの課題解決のため、代表理事は、組合および商店街店主への助言を求めて中小企業診断士に相談することにした。
現社長はこれらの課題に対するアドバイスを求めるため中小企業診断士に相談することとした。
これらの新たな取り組みに関し、副社長は専門的なアドバイスを求めて中小企業診断士に相談することとした。
B社の社長は地域に根ざした企業ブランドのより一層の強化に向けて、中小企業診断士に今後の展開について相談することとした。
事例Ⅱでは、与件文の最終段落から、事例企業の求めている「診断・助言のニーズ」を読み取ることができるように工夫されているということがわかります。
事例Ⅰと同様に、中小企業診診断協会が発行している実務補習テキストの内容に照らし合わせてみましょう。
【第1プロセス】経営者ニーズ確認、経営実態把握
【第2プロセス】経営環境分析
【第3プロセス】経営資源分析
【第4プロセス】経営課題抽出(SWOT分析)
【第5プロセス】全体最適調整
【第6プロセス】改善提言・改革提言
【第7プロセス】経営診断報告
最終段落から事例企業の求めている「診断・助言のニーズ」を読み取るということは、実務補習における「診断」「計画」のプロセスの、【第1プロセス】である経営者ニーズ確認、経営実態把握に該当しますね。
すなわち、「中小企業診断士は、経営者のニーズに基づいて診断・助言しなければならない」というのが「中小企業診断士」というフレーズのもうひとつの意味ではないでしょうか。
事例問題にも、経営者のニーズを踏まえる意識で取り組みたいですね。