みなさんこんにちは。2020年2次試験合格のスローパンダと申します。これから約1年間にわたって、中小企業診断士試験の、恐らく試験対策関連のお話をつらつらと記すことになりました。
さて、早速本題と行きたいところですが、合格までの大まかな道筋としては、2019年度1次試験合格、2次試験不合格。2020年度2次試験合格、でした。ですので、1次試験は運良く1度のみの受験でした。そしてペンネームの由来ですが、何をするにも行動が遅かったなぁという反省を込めての命名です。しかも現在進行形で、実務補習は応募できないまま締め切られてしまいました……、実務補習が決まっているライター仲間が羨ましいです(笑)。
さて、そんなのんびり屋の筆者ですが、「運良く合格できた」というのがまた曲者で、後1問か2問不正解だったら落ちていました……。と、その辺りの反省も踏まえて、今回は1次試験について、どんな感じに勉強をしたか、こうした方がもっとよさそう、というお話ができればと思います。
スローパンダのやらかし一覧
- 動画を見ただけで勉強した気になっていた
- 過去問どころか問題集すら1ヶ月前まで開かなかった
- うっかり経済学が楽しくなってしまった
- 2次試験対策を同時にやらなかった
逆に言えば、こんなことをしなければ1次試験はそれほど勉強の時間を設けなくても合格できると思います。
動画・音声は便利。だけどやった気になってはダメ
まず、最初のやらかしは、「動画をなんとなく見て勉強した気になっていた」ことです。大体、2月~4月くらいは動画講座を見て覚えた気になっていました。
一応、ノートに取ったりもしたのですが、覚えたのは元々知っていたこと+αくらい。プラスアルファの部分ですが、特に興味を惹かれた部分だけは新しい分野でも覚えていました。しかし、この時点では全く危機感がなく(笑)。
というのも、本業ではITエンジニアを経て、Webのデザイナーやマーケティングを行い、更にいわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進的な業務を担ってきたので、割と色々な科目で、元々知っている知識があったので新しい知識を身につけなくてもなんとなく分かった気になっていたんですね。
財務・会計についても、「未経験の分野と言っても数字だし、なんとかなるだろう」という謎の自信がありました。実際には、借方、貸方といわれても全くピンと来ないし、仕訳なんてさっぱりだったのですが。ちなみにこれは今もそうです。表で見て左右のいずれか、で考えてしまうので、言葉で言われても咄嗟には判断できません。逆に言えば、試験対策上はそれでも十分です。
そんなほぼ勉強していないような状態だったのですが、謎の自信があったので家族には「まー、受かるでしょう」なんて都合のいいことを言っていました。今考えたら張り倒してやりたいですね。
しかし、別にこれは動画講座が悪い訳ではないのです。筆者はAASも動画で受講しましたし。ちゃんとやった気になっていたのが悪いだけで。そして、勉強としての効率は悪いのですが、いろいろな知識に対して「なんとなく知っているはず」という種をまいた状態に出来たのはよかったと思います。なので、まだまだ通学による勉強が難しい現状で「動画はダメかも……」なんて思う必要はないです。
中には、勉強したいけれどなかなか時間を取れないという方もいると思いますが、そういう方は動画講座をなんとなく流しておくだけでも効果があると思います。今だと、テレワークの方も多いと思いますが、ラジオの代わりに講義を流しておく、などですね(勤め先が許せば、ですよ!)。
過去問は不要? スピード問題集で暗記
さて直前までろくに勉強らしい勉強をしていなかったスローパンダですが、受講していた動画講座の想定問題集をやって気付きます、自分は勉強ができないということに。一応、経済関連については、体験blogか何かのススメもあり、また未知の分野であり動画を見ているだけではさっぱり理解できなかったので勉強していましたが、これはこれで別のやらかしなので後に回します。
仕方がないので、とにかく網羅的に知識を頭に定着させようと購入したのがTAC出版さんの「みんなが欲しかった!」シリーズの問題集上下巻です。テキストは買いませんでした。
先に記した通り、動画を見てなんとなく知識が頭に残っているので、「この言葉知っているはずなのに出てこない」という強烈なストレスで無理矢理脳みそに焼き付けます。ついでに、関連知識も怪しいなと思ったら、都度テキストやインターネットで確認してまとめて覚えておくようにしました。
さすがに、財務会計はこれでは対応できなかったのですが、そこはまた別の機会に。
後は、時間がなかったのもありますが、せめて「中小企業経営・中小企業政策」は過去問をやっておくべきだったなと思います。というのも、中小企業政策については時事問題が出ることもあり、流れが理解できていないと覚えづらいように感じるからです。しかし、それ以外は過去問をやらなくても問題ないのかなと思います。
とはいえ、AAS受講中も直前期の模試で「知識はあるようだけど解答に結びついていない」と言われるようなスローパンダだったので、こんな詰め込み学習は2次試験のことを考えるとおすすめできません。二次試験対策を同時にやった方がいいという先達の経験談はまさにその通りで「どの知識がどれだけ重要か」という、深く狭い知識を求める際に重要な学びが1次試験対策のみでは得られません。
勉強はまんべんなく
そして、うっかり経済学が楽しくなってしまった件ですが、本来であれば勉強が楽しくて熱中できるのはいいことです。いいことなんですが、スローパンダのようにむらっけがありすぎると大変なことになります。
それが、前記した中小企業経営・中小企業政策なんですが、自己採点が確か41点か、43点か……、でした。そうです、足切りラインのギリギリでした。
先述した通り、もともとITエンジニアの出身ですので経営情報システムは余裕でした。後は、思ったより他の科目がよかったので、総合点でなんとか1次試験を突破することができたわけですが、心臓に悪いことこの上ないです。そして、そんな状態であれば、合格発表があるまでなんとなく2次試験の勉強もする気が起きなくて当然なわけです(こんなところもスローでした)。
確かに経済学は素晴らしい学問ですし、社会人として、中小企業診断士としての教養として必要です。ですが、正直2次試験には全然関係ないですし(どう考えても中小企業政策の方が関係があります)、そもそも、どんな科目でも正解するのが難しい「難問」があります。
その難問1つで4点とれたとしても、そのための勉強時間で他の科目の点数が合計で20点は伸ばせます。試験合格を考えるのであれば、勉強はまんべんなく、が基本だと思います。
まとめ
まとめると、とにかく問題集に手を出すのは早めがいいと思います。なんなら、一度問題集をやってから各種の講座を受講してもいいくらいだと思います。ただ、1次試験に限っては過去問はそこまで重要ではないように思います。
そして、1次試験のことではないですが、2次試験合格を考えるとやはり2次試験対策も並行して進めた方がいいです。1次試験合格後、同じ年度に合格を目指すのであれば、そもそも時間的な問題もあります。また、そうでなくても2次試験に合格する上で重要となる各種理論に対する向き合い方が変わってきます。
さて、次回のスローパンダの記事は、もともと会計に強い人でなければ、自称数字に強いエンジニアでも苦戦する財務・会計のスロースタートな勉強方法をご紹介できればと思います。とはいえ、早めに勉強を始めるに越したことはないですよ!