2次試験に役立つ(かもしれない)考え方②

こんにちは、くろいのです。

前回に引き続き2次試験に役立つ(かもしれない)考え方ということで、自身が診断士試験に臨む中で考えていた内容を共有させていただきます。読んでもらった方に対して、何かしらのヒントとなれば幸いです。

さて今回は、「タイムマネジメント」をテーマとさせていただきます。

受験生時代のとある時期、私は80分という制限時間内で事例問題を解答しきれないことを問題に抱えていました。

どうすれば時間内に解き切るという課題を克服できるのかをネットで検索すると、よく出てくるキーワードとして「タイムマネジメント」がありました。

特に、「タイムマネジメントを意識して時間内に解き切れるようにする」といった内容をよく見聞きしました。

当初、私はそこに何の疑問も持たずに「タイムマネジメントを意識すれば時間内に解き切れるようになるのか」と考え、自分なりの認識で「タイムマネジメント」を試みましたが、一向に克服できませんでした。

このままではまずいと思い認識を改めようとした結果、色々と考え方が整理できたことが良い結果につながったのではないか、と振り返る次第です。

タイムマネジメントとは一体何なのか

当初の認識

まず、「タイムマネジメント」とは一体何なのかについて考えてみたいと思います。

皆さんは「タイムマネジメント」という言葉に対してどのような認識を持っているでしょうか。

前述に出した当時の自分は、「タイムマネジメント」を字面通り「時間を管理すること」だと考えていました。

試験に臨む方であれば誰でも「本番の80分の使い方」は想定されるだろうと思います。

もちろん私もそこは想定していて、事例問題を工程に分けて「読む」「考える」「書く」としたとき、それぞれどの程度の時間配分を行うのか、さらにそれらを細分化して細かく標準時間を決めていました。

事例問題を解く際は、それを守るように「時間を管理」すれば解き切れるはずだと信じ、時間配分を調整したりしながら試行錯誤していました。

しかし、思ったような成果に結びつくことはなく、なかなか計画通りに解き切れるようになりませんでした。

タイムマネジメントの本質

そうした状況を打破すべく、「タイムマネジメント」について認識を整理することにしました。

その結果、最終的には「時間は管理できない」という逆の考えになりました。

具体的には、タイムマネジメントの本質とは「時間の使い方を最適化する」ことであり、「時間内に解き切る」ということとは切り離すべきという結論に至りました。

私があれこれ試行錯誤をしていたのは一言で言えばタイムキーパーでしかなく、本質のないまま形だけのアクションを行っていたにすぎず、意味の無いことをしていたと反省します。

なぜ、タイムマネジメントが必要なのか

タイムマネジメントが必要な場面

タイムマネジメントの本質を「時間の使い方を最適化する」と認識した上で、もう一度自分を振り返ってみました。

まず、難易度的にやさしい事例問題の場合、(解答の品質はどうあれ)時間内に100%の力が出せるはずです。

そういった状況の場合、タイムマネジメントを行うメリットはあるでしょうか。意見は様々あるかとは思いますが、私は無いと考えました。

(あくまで自分の中で)100%の力を想定通りの時間配分でこなせるのであれば、時間の使い方を工夫しようがしまいが変わらないだろうと考え、その場合は別の事柄にリソースを割くように方針を検討しました。

なので、タイムマネジメントが必要となるのは時間内で100%の力を出し切れない可能性のある場合、ということになります。

何が達成されればよいのか

さらに、タイムマネジメントによって達成したいことを明確にしました。

時間の使い方を最適化するということは、タイムマネジメントを行っていない状況に比べ、最終的なアウトプットの総量を最大化することということになります。

例えば、そのまま進めると60%の力しか発揮できない場面において、タイムマネジメントを実施することで70%のアウトプットを出せれば成功、というようなイメージです。

こうした前提の元に立つと、時間内に解き切れないからタイムマネジメントを意識するというのはかなりズレた論理になってきます。

とどのつまり、時間内に解き切れないというのは単に能力不足であり、タイムマネジメントでどうこうしようとすがっても無意味に等しいです、、

どうすればタイムマネジメントによる効果が得られるか

優先度づけ

以上を踏まえて、効果的なタイムマネジメントを行う上で必要なことを考えました。

既に述べたように、本質的には時間当たりのアウトプットの総量を最大化することなので、最も効率が良い設問から解いていく戦略が良いということになります。

従って、難易度の見極めが正しくできることが求められることになります。

そのためには客観的な難易度が知りたくなるのですが、中小企業診断士2次試験においては得点率や正解率のような情報は公表されないため、難しい部分があります。

私の場合は、市販の「ふぞろい」シリーズで過去問事例の各設問に対する難易度の目安を把握していました。

少なくとも難易度については、再現答案からの集計によって比較的客観的に判定されているだろうと考えていました。

取捨選択

また、同じくアウトプットを最大化するという目的において、得点につながらない時間を以下に減らすかという視点も重要になってきます。

もちろん、本番当日までに「制限時間内に100%の力をだしきる」ように訓練することは大前提ですが、それでも時間内に終わらないような内容となることも想定されます。

そうした「まともにやっても60%」のような状況において必要となるのは、「何とかして解き切る」よりもむしろ「捨てる」だ、という結論に至りました。

つまり、まんべんなく時間を割いたわりに全く解答できなかった設問があったとします。すると、その設問にかけた時間は生産性ゼロということになってしまいますよね。

であれば、最初からその時間をほかの設問に回せばよかった、という話になります。だから「捨てる」が必要になるという結論に至った次第です。

ただ、これはかなり意識して慣れないと判断に踏み切れないことが大半かと思うので、時間を意図的に短くしたりして、状況を想定した訓練をしておくしかないと思います。模試を活用してもよいと思います。

繰り返しにはなりますが、あらゆる場合でも制限時間内に解き切れるようになるよう訓練を積むことが最優先です。

管理可能な時間の把握

さらに、管理可能な時間というのはどの範囲なのか?を把握しておく必要があります。

例えば、2次試験の事例では解答欄が大体平均で500~600字くらいの構成になっていますが、これを全部埋めるとして、自分の書く速度でどのくらい時間がかかるか把握しておられるでしょうか。

これは、答案の写経によって簡単に計測できます。私の場合ですと、何も考えずに写経をする場合にかかる時間は、普通のペースでおおよそ100字/分、大急ぎで書くと120字/分くらいでした。

すなわち、80分のうちで少なくとも30分程度は書く時間に割かれ、物理的に速めることが困難な管理不能時間と言えます。

同様に、与件文を読む時間、マーキングしたり設問文との対応付けを考えたりする時間など、確実にかかる時間を把握しておくべきかと思います。

これを突き詰めていくと、使い方を管理できる時間というのは実はそう多くはないということが分かります。

そうした背景もあり、できるだけ序盤に優先度付けや取捨選択を完了させることが重要になってくると考えます。

 

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

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